映画道楽にハマるようになって十数年、しかしそのあいだに出演作が少なく、機会を逸したせいもあって、実はリアルタイムで鑑賞した高倉健作品は、年間数十本も映画を観るようになるちょっと前に公開された『鉄道員(ぽっぽや)』だけでした。
高倉健は生涯ただ1度だけ結婚しています。美空ひばり、雪村いづみと共に“三人娘”と呼ばれ人気を博した江利チエミです。しかし結婚生活は長く続かず、夫婦でいたのはわずか2年でした。
いがみ合っての別れではなく、江利の身内に生じた問題がきっかけで、江利のほうから提示しての離婚だったそうです。江利は45歳と若くして不慮の死を遂げますが、高倉はずっと彼女の墓を参っていたといいます。江利はもちろん、高倉健自身も江利と別れて以来、独身を貫きました――私生活を公にしないひとだったので、実際には女性の存在があったのかも知れませんが、少なくとも彼が正式に妻とした記録があるのは、江利チエミただひとりでした。
私が唯一、リアルタイムで接した高倉の主演作『鉄道員(ぽっぽや)』の主題歌はこういうフレーズで始まります。
“会いたい人なら 会いに行け あの山を越えて 今すぐ会いに行け”
きっと、一目散に会いに行ったんだろうな、と考えるのは、感傷的すぎるでしょうか。
高倉健は今月10日、83歳で亡くなりました。ご冥福をお祈りいたします。
……しかし我ながら気取りすぎだな、この文章。
ちなみにこのブログに感想をアップしてある出演作は『幸福の黄色いハンカチ』と『ブラック・レイン』の2作のみ。年内に時間が出来たら『鉄道員(ぽっぽや)』は再鑑賞して、感想を上げておきたいなー。
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