実はまだ、昨年中に観たかった作品が幾つか残っています。中でも特に、これだけは絶対に押さえないと悔やんでも悔やみきれない、と思っていた1本があるのですが、この作品、観に行くつもりの劇場で終わりそうだったら駆け込むつもりでずーっとスケジュールをチェックしていたら、なかなか終わる気配がない。きのうスケジュールを調べてみたら、来週もまだ上映が続くらしいと気づき、もはや私のほうが耐えられなくなって、午後から映画館に駆け込みました。
向かったのは丸の内ピカデリー。実はおよそ3年振りの訪問です。何せ、ここで掛かる作品はたいていTOHOシネマズかユナイテッド・シネマでフォローできてしまうので、ポイントのことを考えるとなかなか足が向かなかったのです。しかし最近、新宿ピカデリーなど他の松竹系シネコンと共通のポイントカードが発行され、このあいだ私も入手していたので、どーせならここで観よう、とずっと待ち構えていました。
引っ張りに引っ張って鑑賞した1本は、クリストファー・ノーラン監督最新作、滅び行く地球から人々が移住する惑星を見つけるために旅立った父と、それを待つ娘のドラマを、説得力のある科学的考察に基づいてヴィジュアル化した『インターステラー(字幕)』(Warner Bros.配給)。
評判が非常に良く、だからこそ上映館を減らしつつもまだ続いているわけですが、なるほどこれは極上の傑作。発想は王道ですが、それを実際の知見をベースとする現象やヴィジュアルに昇華している。『ゼロ・グラビティ』とは少し異なるかたちで、宇宙空間を観客に体感させ、更に美しいドラマに結びつける。まさにノーラン監督渾身のブロックバスター。個人的に、終盤になってクレジットになかった“あの人”が突然キーマンになったのにぶったまげました。
ちなみにこの作品、丸の内ピカデリーでは当初、フィルム版で上映していました。デジタル全盛の昨今になっても、フィルムに拘って撮影していた監督の意向を反映したもので、だからこそ私はここで観る気になっていたのですが、それにしては映像がクリーンすぎる。上映終了後に確認してみたら、やっぱり12月中に終了していたそうです……ちょっと残念、でも作品自体は観られたから良しとしよう。
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