昨日までガッツリと映画を観たあとですが、まだ観たい作品はある――実のところ、TOHOシネマズ新宿のオープンに際して、人気作とか注目作を、多少公開から時間が経っていても、何本か持って来てくれる、と考えてて、幾つかはその機に観るつもりでいたんですが、意外と封切りばっかりだったもんでアテが外れたのです。『バードマン』はいい映画だけど、こんな間を置かずに続けて観るようなものではなかったしなあ。
というわけで本日は夕方から、その『バードマン』を10日に観て以来となるTOHOシネマズ日本橋へ……出かける時間になって雨が降り始めて、自転車での移動が出来なくなったのがちょっと残念。
鑑賞したのは、第二次世界大戦中、解読不能と言われたドイツの暗号装置“エニグマ”を解き明かす装置を開発、連合国の勝利に貢献し、現在のコンピュータの原型を生み出しながらも長年その功績が隠されていた伝説の人物アラン・チューリングの半生をミステリー的なタッチで描きアカデミー賞脚色部門を獲得した『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』(GAGA配給)。カンバーバッチ人気もあるので、この辺は新宿に持ってってくれるかと思ってたんですか。
オスカー獲得は伊達ではない、さすがの面白さでした。戦後の出来事から回想として描くことで一種ミステリーめいたトーンを作り出し、謎を紐解くように段階的にチューリングの秘密と懊悩を炙り出していく。孤独な天才が、戦争のなかでたまさか築いた人間関係や、それが使命によって軋んでいく様はどこか青春ドラマのようでもある。それだけに結末は悲しく、彼の功績とあいまって胸に響きます。ベネディクト・カンバーバッチの少々人間離れした風貌もあって、主人公の存在感が素晴らしい。例年、アカデミー賞は脚本2部門を獲ったものは確実に面白い、と思ってますが、これもその好例。
ちなみに、これも当然ながらフリーパスで鑑賞したのですが……この調子で片っ端から拾っていると、観るものがなくなりそうな気がしてちょっと怖いです。新宿でいきなり4本連続、なんてやっちゃったせいだ。毎週新作は封切られますけど、どれもこれも観たいわけじゃないのです。まあ、毎回10本観れば充分、という認識なので、このあとは気楽に利用します。新宿でもあと1、2本は観る。
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