連休、それも夏休みに入ったばかりともなれば混雑するのは想像に難くない。故に先週末から昨日まではあえて映画鑑賞は考えてませんでした。そして今日、さながら喪が明けた気分で映画館へ。
訪れたのは、やけに久しぶりの気がするTOHOシネマズ日劇。調べてみたら……ほぼ1年振りでした。考えてみると、ここでかかる大作はほとんど日本橋でフォロー出来、設備自体も日本橋や新興の新宿に劣るので、どうしても足が遠のくのは必定。今回は、レイトショーの限定プログラムが始まったので、久々にやって来たわけです。
鑑賞したのは、『パラノーマル・アクティビティ』にも携わったスタッフがやはり低予算で製作しながら、制作費の十数倍の興収を上げたヒット作、1年に1度だけ、すべての犯罪が許される法が施行された近未来のアメリカで繰り広げられる残酷なドラマを描く『パージ』(SYNCA×PARCO配給協力)。
実はこれ、だいぶ前から待ち焦がれていたのです。監督のジェームズ・デモナコのデビュー作『ニューヨーク、狼たちの野望』は東京国際映画祭で鑑賞して、なかなか好印象だったため、続篇を待っていたら、いつの間にやら本篇が大ヒット、続篇も製作された。しかし日本では配給がつかず、半ば諦めていたところに公開の情報を得て、今月は意地でも観るつもりでした。本当は封切り当日に鑑賞する気でいたんですが、チケットを押さえ損ねたので、連休明けを待った次第。
期待していたとおり、いや期待以上の緊張感に彩られた作品でした。暴力描写はもっと振り切れてもよかったんじゃ、と思う一方で、暴力に対する安易な認識と、いざ直接対峙したときの恐怖や葛藤を巧みに掘り下げています。如何せん、後味が非常に悪い展開なので、カタルシスを求めるひとにはお薦めしづらいのですが、生半可なドラマでは満足出来ない人は観てみていいと思います。なによりこの作品、設定が非常に魅力的で、鑑賞後には同じ世界観で展開する話をひとつふたつ思いついてしまったぐらいですから、作り手にとっては別の刺激にもなるかも。
ここのスクリーンのサイズや高さは好きなんですが、とにかく座席の前に余裕がないのが辛く、ちかごろはどうしても避けがちなのです。しかし、数年後には新たにオープンするTOHOシネマズ日比谷に機能を移し、日劇は閉館する予定になっている。映画道楽にどっぷりハマるようになった当初は頻繁に足を運んでいた劇場ですから、何とか機会を見つけて立ち寄りたいところ。とりあえず、来月に公開される『パージ:アナーキー』も引き続きここで上映予定なので、来月来るのは間違いないんですけど、出来ればこういう独占に近い上映や企画ものをもーちょっと積極的にかけてくれると嬉しい。
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