ポロロッカの悪影響。

 前にもちょっと触れましたが、何となく観はじめた『実は私は』が気に入って、逆行して原作漫画を電子書籍で読みました。最新巻まで到達したので、いったいどの辺りのエピソードが映像化されているのか、確認しながら鑑賞している状況に変わってます。

 アニメ版におけるエピソードの再構成、最初は評価していたんですが、だんだん評価を下げてきてます。第4話“委員長を助けよう!”については、原作通りの展開だとかなり先になってしまうので、一部の道化役を変更しても織り込んだ価値はあったと思うのですが、第5話、第7話のミックスは、オリジナルエピソードの魅力をだいぶ殺してしまっている。

 第5話では、日光を浴びると急速に日焼けしてしまう白神葉子のために、黒峰朝陽と委員長こと藍澤渚が陽射しを避ける訓練に付き合ったり、一緒に登校したりするエピソードを映画化しているのですが、ここでの黒峰の行動が原作と比べて全般に安易になってしまっている。あのあたりは全部アニメオリジナルなんですが、白神を思いやるが故の黒峰の空回りが、ちょっと痛々しさを増している。個々の行動は原作の味を踏襲しているように思うんですが、テンポとか周囲の反応との噛み合わせが悪い。

 第7話は小のつかない悪魔・紅本茜と白神が何故かセクシー対決をする、というこれも原作にあるエピソードを応用した話なんですが、まだタイミングが早いが故に、白神葉子の見せ場になるはずの行動が省かれてしまい、面白さがだいぶ削がれてしまっている。これはアニメ版では初登場時から扱いが微妙な名物ロシアンシューからオチの流れも強引さが気になる。

 再構成するのはいいんですけど、それならせめてオリジナルのエピソードが持つ面白さを可能な限り活かすか、せめて各話のなかで違和感なく組み立てて欲しい。何が気になるかって、それぞれの話が原作ではかなり面白いのに、アニメ版だと不出来なコメディになってしまって、アニメを先に観ると魅力が伝わらないように思えてしまうのです。

 少なくとも第4話までなら、私自身がそうしてしまったように、原作にポロロッカさせる程度には魅力を取り込んでいたと思うのですが、原作に戻らずに観続けた場合、そろそろ見限られかねないほどに仕上がりが危うい。

 ……まあ、少なくとも私の場合はその後も原作を繰り返し読んでいるくらいなので(8巻あたりから10巻までの盛り上がりは凄い)、アニメがどれほど崩れようとも最後まで観るつもりでいるんですが、どーにも惜しくて仕方ないのです。第7話はせめてカリスマ痴女は出さなきゃ駄目だろあれ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました