週末にけっこうハードなスケジュールで行動していたもので、今日は当初、出かけるつもりはありませんでした。しかし、何気なくTOHOシネマズのサイトを確認していたら、auが実施しているサーヴィス”auマンデイ”で、通常は月曜日に一般1100円で鑑賞できるところを、ある作品に限り、本日のみ900円で鑑賞できる、とあった。どのみち観るつもりの作品でしたから、それなら行かなきゃ損だろう、と思い、16時からの回のチケットを急遽ネットにて確保しました。
いつものTOHOシネマズ日本橋にて鑑賞したのは、狭い部屋に閉じ込められていた少年と母親の姿をサスペンス的に、そしてリアルに描き出して世界中で絶賛を浴び、アカデミー賞主演女優賞に輝いた話題作『ルーム』(GAGA配給)。
題材にも予告篇から窺える描き方にも興味がありましたが、なるほどこれは素晴らしい。前半は一見奇妙に閉鎖された世界での確立された“社会”のなかで緊密なドラマとサスペンスを繰り広げ、後半はそれがある意味で覆されていく怖さを描く。閉鎖空間での緊張感が一転して解放された瞬間の映像や音の表現が絶妙ですし、そのカタルシスが、実のところ本篇の真価である中盤以降のシリアスな静けさ、当たり前と思っていた日常の中に存在する葛藤を浮き彫りにする。母と子の立ち位置の変化もまたうまく考えられていて、それが凝縮されたかのようなラストシーンの穏やかな昂揚感たるや。アカデミー賞では1冠止まりでしたが、これは大傑作。個人的には今年度ベスト5くらいには残りそうな気がしてます。
ちなみに今日も移動は自転車です。このところ暖かかったものの、少し気温が下がる、ということで、いちおう用心はしていったんですが、いざ劇場のある建物を出たら、思いのほか風が冷たかった……冷え込みすぎだって。
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