週末は封切り映画を鑑賞する日……というルールも、諸々の都合から崩れがちな昨今ですが、今日はどーしても早く観ておきたい1本があった。それ故に映画館行きは早めに決断していたのですが、スケジュールが発表されてから困ったことに、行くつもりだったTOHOシネマズ系列では、お目当ての作品は午前中の上映がひとつもない。まあ、こういうこともあるだろう、と割り切って、ひとまず夕方からの上映のチケットを、貯まったポイントでネットから取得したのですが……しばらく経ってから、1本だけじゃ勿体ないな、という気分になってきた。なにせ、押さえた作品は上映時間が90分足らず。内容的に、観るだけで若干消耗するだろう、という予測はつきますが、時間的には余裕がかなりある。そんなわけで、まだまだ余っていたポイントで更にもう1本押さえておいて、道中ポケモン探しをしつつ映画館へ。
やって来たのは、最近ふたたび足を運ぶ回数が増えているTOHOシネマズ日本橋。まず鑑賞した1本目は、本日のそもそものお目当てです。『エスター』や『フライト・ゲーム』など、いまやサスペンスの名匠として認知された感のあるジャウム・コレット=セラ監督最新作、ブレイク・ライヴリー演じるヒロインが、岸からわずか200mの岩礁で、襲い来るサメの脅威と戦うサヴァイヴァル・サスペンス『ロスト・バケーション』(Sony Pictures Entertainment配給)。
改めてこの監督、とても腕がいい。これまでの作品と趣を違え、ワン・シチュエーション、そして舞台はいっそ楽園的なビーチ、というものですが、そのなかで隙のないサスペンスが展開する。用意された状況ひとつひとつが緊迫感を生み、そしてクライマックスへの布石としてしっかり機能する。無駄のない構成に、ハラハラさせられながらも唸りっぱなしです。隣の席の男女が終始こそこそ喋っていたのが残念ですが、映画自体は素晴らしいサスペンス。『死霊館 エンフィールド事件』といい、夏ならではのジャンル映画の秀作が映画館にかかっているのは実に喜ばしいことです。
鑑賞後、次の作品まで1時間ほどあるので、映画館の入っているコレド室町のなかで夕食を摂ってきました――土曜日の夜、1時間だけで果たしてちゃんと食べられるか、という不安がありましたが、前々から気になっていた店が幸いに比較的空いていたので、スムーズに済ませることが出来ました。味も満足のいくものだったので、今後日本橋で食事するときの候補に――入れたいけど、そもそも前に平日の昼間に立ち寄ったときはけっこう混んでいたので、夜にハシゴをするときぐらいしか使えないかな〜。
ともあれ、充分に余裕を持って劇場に戻り、次の作品です。本日2本目は、ピクサーの大ヒット作品の続篇、あらゆることを忘れてしまうドリーが、ずっと探そうとしていた家族のことを思い出し、仲良くなったマーリン&ニモ親子と共にふたたび冒険に赴く『ファインディング・ドリー(吹替・2D・TCX)』(Walt Disney Studios Japan配給)。
前作は、海洋生物の擬人化が少々鼻につくことを除けば、冒険ドラマとして素晴らしい作品でした。しかし、出来としてはこの続篇のほうが上。前作でのドリーの描写や、マーリン、ニモとの関係性を存分に活かしつつ、その背後に隠れていたドリーの物語を見事に掘り起こしている。何をしてもすぐに忘れる、という厄介なキャラクター性を安易に否定することなく、そこから物語を膨らませて、謎解きめいた趣向を生み出しつつスリリングに展開を転がしていく。そこから見えてくるテーマの奥行き、そしてクライマックスの描写の実に感動的なことといったら。今回はミズダコのハンクというキャラクターに凝縮された、新作を生み出すたびに進化している映像技術もさることながら、ディズニー&ピクサーの脚本開発のハイレベルぶりをまたしても証明する1本になってます……嗚呼、このまんまだと次のアカデミー賞アニメーション部門もまたディズニー&ピクサーが獲っちゃうなあ……。
奇しくも海を題材にした映画2本立てでありました。5日遅れの海の日をたっぷりと満喫し、ちょこちょことポケモンを回収しつつ帰宅。
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