レンタルDVD鑑賞日記その527。

  • 『ほんとにあった!呪いのビデオ72』(BROADWAY[発売])

 新体制となって2作目となる最新巻。一部で語り継がれていた、自主製作ホラー映画に映っていた怪異が発掘される“伝説の自主映画”、友人ふたりで潜入した廃墟で起きた異様な出来事“存在しない友達”、和やかな親族の集まりでの異変の背後を探るうちに、スタッフまでが危険な事態に巻き込まれていく連作“おくりもの 前編”など全8編を収録。

 観ながら“安定感”と呟いてしまうほど圧倒的な安定感。これこそ観たかった怪奇ドキュメンタリーなんだよ、という王道の語り口が全篇で堪能できます。内容的には小品と言っていい“ベランダ”や“シリーズ監視カメラ 野菜泥棒”はもちろん、投稿素材そのままに近いのに編集でインパクトを強める“曲がり角”あたりにも特に唸らされます。

 単品でも、“存在しない友達”の異様さはかなり秀逸。同じシチュエーションで構えられたふたつのカメラが記録する事象が、常識的にあり得ないことがシンプルに伝わるからこそ実感できるおぞましさ。問題の廃墟をわざわざ訪問しようとしない“節度”も評価したい。

 そして連作“おくりもの”です。内容的にはこれまでシリーズで取り扱ってきた映像のパターンにいまのところ収まっているように見えますが、背景を辿るごとに見えてくる不穏な要素、そのぼんやりと結びついてくる薄気味悪さは圧巻。この巻では、発見した事実がまだうまく結びついていないのですが、いまのところプロセスの面白さは文句なしです。

 今年も連作は3巻連続になるのか、きちんと次巻予告も収録されてます。これからご覧になる方のために詳細は伏せますが、予告を観たとき、私は思わず声を上げました。ついにあの人が来るのです。うわーはやく次の巻を見せろー!!

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