レンタルDVD鑑賞日記その557。

• 『ネットから削除された禁断動画 Not Found 30』(アムモ98)

　３月リリースの第30巻。山登りに赴いた女性が遭遇した災厄“噛まれた痕から…”、インディーズバンドがネットで発表したＰＶに思いがけないモノが映り込んでしまった“公衆トイレで撮影された動画”、走行中の乗用車から映した映像を発端とする前後篇“廃業ガソリンスタンド”など７他７篇を収録。

　節目の巻だからか、このシリーズらしさを詰めこんだ内容になってます。冒頭の現実的に痛いネタに、本筋と関係のないＡＤ杉本の暴走を追った話、そしてドキュメンタリー部分があってこそ意味を為す前後篇。いずれもこのシリーズが続く中で確立したスタイルなので、そーいう意味では納得のいく内容。

　……ただ、それぞれのクオリティはどうか、と問われると、苦笑いせざるを得ない。採用する前にもっと調査したほうがいいんじゃなかろうか。“廃業ガソリンスタンド”で、肝心の映像だけでは解らないところまで踏み込んでいくことも出来たんですから、他のエピソードでも似たように掘り下げることは出来たはず。ストーカーに絡むものは別としても、公衆トイレの映像などはうまくすればもーちょっと面白くなったように思います。それこそなんの実も結んでない（ロマンスの種は蒔かれてた気はする）巨大ミミズのくだりなんか省くか短くしてもいーでしょうに。

　唯一、前後篇の“廃業ガソリンスタンド”はかなり見応えがあります。発端はどちらかというと小粒な怪奇映像なのですが、映像そのものに隠された手懸かりを辿るうちに様々な怪異に遭遇していく、と紆余曲折があって、怪奇ドキュメンタリーならではの醍醐味があります。スタッフのやり取りに頓珍漢なところもありますが、この程度ならまあ笑って許せます。毎回この水準なら安心して観てられるんですけど。