『刑事ゆがみ』がけっこういい。

　最初はチャンネルが合っていたので何となく観始めただけなのですが、これがけっこう面白い。いわゆる刑事物の基本は押さえてるんですが、そこに私立探偵的な湯神というキャラクターを押し込むことで、少しひねった展開を実現している。主人公がだいぶアウトローなので、シンプルに真相解明→犯人逮捕とはならず、エピソードによっては“そもそも犯罪が成立しない”パターンも出てくる。このあたりのひねり方が楽しいのです。

　……が、今夜放送の回はちょっと微妙でした。劇場型の誘拐犯、という映画のような設定、過去の大きな事件の模倣犯、といったモチーフは興味深いんですが、それほどの大事件について曲がりなりにも警察勤務の人間が今まで知らなかったかのような反応を示したり、そもそもの犯人の計画があまりにもハイリスクすぎて非現実的、という欠点を背負ってしまっている。犯人役の演技は見事だったんですけど。

　とはいえ、基本的に普通の刑事ドラマとはひと味違う展開を用意していることは相変わらず。人を食った言動を繰り返す湯神と、それに振り回される相棒・羽生のやり取りは堂に入ってきてますし、他のキャラクターとの絡みで見せるユーモアも楽しい。今回、プロット的には引っかかるところもありましたが、まだまだ期待出来そうです。