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2015年製作、『アドレナリン』シリーズを撮ったコンビの片割れマーク・ネヴェルダインが単独で監督したオカルト・ホラー。あるときから奇妙な振る舞いを見せるようになった女性が、40日の昏睡のあと覚醒すると、その身辺で不可思議な出来事が起きはじめる……。
いわゆる“エクソシスト”ものなのですが、発想にちょっとしたひねりがある。そのアイディアはいいんですが、如何せん、ある程度キリスト教の素養がないとその意外性が解りづらいのと、その前提で鑑賞しても中盤くらいまでの展開がいまいち納得しがたい。恐らくこういう意図があるのだろう、という解釈はわりとしやすいんですが、序盤に明瞭な伏線がなかったり、その辺の説明をほとんどしていないので、意外性ばかり狙ったように映ってしまう。
個人的にいちばんもったいないと思うのは、こういうタイトルなのに劇中のカメラを中途半端に用いている点。“バチカン・テープ”というタイトルなんだから、最後の決定的瞬間にこそ、物語のなかにあるカメラを使って欲しかった。
映像の組み立て方や話運びのセンスは認められるんですが、いささかワン・アイディアに依存しすぎたように思います。雰囲気は大変好きなんですが。
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