夢に出て来そうな。

 3日連続の映画鑑賞です。年末に来て、気になる作品が続々と封切られているので、こちらの都合にしっくり来るなら出かけないわけにはいかない。

 本日の目的地は、TOHOシネマズ西新井。夏以来の訪問です……かつては私の拠点だったのに、日本橋のオープンで影が薄くなり、昨年末の上野、今年春の日比谷のオープンで、すっかり足が遠のいて、今年はこれでようやく2回目。今日あえてこの劇場を選んだのも、12月になったので、行きつけの蕎麦屋に年越し蕎麦を予約しに行くついでだったりする。この件がなければ、たぶん日本橋あたりで観ていた。

 バイクで乗り付け訪れたアリオ西新井にて鑑賞した今日の1本は、長篇初監督ながらそのレベルの高で注目を集めるホラー映画、祖母の死をきっかけに一家を襲う災厄を描いたヘレディタリー/継承』(PHANTOM FILM配給)

 ……もう文句なしの大傑作でした。今年のベスト級どころか、私がこれまでに観たホラー映画のベスト10に入れてしまいたくなるくらいの。

 安易な脅かしや虚仮威しをほとんど用いず、違和感や不穏な空気だけで序盤は進行していく。祖母の死という悲劇にも感情の動かない家族のあいだに漂う居心地の悪さ、ひとり誰も見ていないところで奇行を繰り返す妹の不気味さ。そして起こる悲劇を境に事態はいよいよ狂気を帯びていくのですが、ここに至っても、異様なことは起きても決してただ脅かすような演出はしていない。終始、沁み入ってくるような恐怖が蔓延している。そしてやがて訪れる本当の衝撃のあと、そこまでの描写にまったく無駄がなかったことを思い知らされる。まるでアートムービーめいた、整理された構図や、沈黙を巧みに活用した効果音も素晴らしい。ホラー好きを標榜するなら、観ておかなきゃ駄目です、これは。

 ところでこの作品、実は一部で、出来映えとは別に評判になっていたことがあります。

 どう考えても、製作者の意図しなかったであろう箇所に、おかしなものが映り込んでいる。

 前にいちど、小さな画面で確認したことがあったのですが、改めて大スクリーンで確かめてみたら、覚えていた以上にはっきりと映っている。しかも、話の流れのせいか、私には女の子が右に向かって這っていったように見えた。でも本篇の中で、その描写に繋がるような描写、言動はいっさい確認出来ない。

 場所はほぼクライマックス手前、息子が何かの気配に目醒めるくだりです。恐らく、これだけ書けば気づくはず。小さな画面だったり、光量や解像度の低い画面だと解りづらい可能性があるので、たぶんこれも映画館で確かめたほうがいいです。

 鑑賞後は予定どおり、行きつけの蕎麦屋にて昼食。きのうくらいまで、食欲はあってもあんまり量を受け付けない状態だったので、いつもなら大盛を頼むところを、普通にしてもらったんですが……色々あって恢復しつつあるらしく、物足りなかった。次に来るときは大盛りにする。

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