レンタルDVD鑑賞日記その584。

封印映像32 呪いの生き人形/長身の男 [DVD]

封印映像32 呪いの生き人形/長身の男 [DVD]

 昨年12月リリースの『封印映像32 呪いの生き人形/長身の男』。誕生プレゼントとしてその人形が現れた直後から、パーティが阿鼻叫喚と化す“呪いの人間”2部作、漫才の稽古中、異常を来した相方の背後に映る人影の謎を追う“長身の男”2部作の計4篇を収録。

『ほん呪』フォロワーは全般に長命で、巻数を重ねるうちにマンネリとの戦いになっていく。演出補を入れ換え、投稿映像選定の段階から見せる、という趣向はそんなに悪くないと思うのですが……如何せん映像の出来もドキュメンタリーとしてのまとめ方もヒドい。

 何度も言ってますが、映像の出来が悪くても、あからさまに合成っぽくても私はそんなに気にしないのです。問題は、そこにリアリティや怖さ、不気味さを付与できるかどうか。誕生日サプライズの映像も、関連作として言及される寺を訪ねる映像も、展開が不自然すぎてしっくり来ない。ドキュメンタリーとしてまとめたいのなら、あの人形がどういう代物なのか、を調査する必要があるでしょうし、証言者が何も言えなくなっていた1本目にしても、投稿者の言葉に手懸かりはあったのですから、そこから掘り下げる方法はあった。なんでこの程度しか掘り下げてないの? 自分たちで映像選んだんじゃないの?

“長身の男”もその掘り下げがあまりに雑すぎる。そもそも1本目も2本目も、ほんとーに人影なのか解りづらい。拡大したら見えなくなったー、で済ませないで何らかの方法で拡大して形状を特定する努力する素振りくらい見せてみろよ。そして自分たちでも怪異を体験してるんだから、それを取っかかりにもっと掘り下げることは出来ただろ。なんて自分たちが危ない目に遭った途端に終わらすのよ。安全策を取るにしても、もうちょっと工夫できるでしょーが!

 またこれも、他のところで似たような流れになったことがありましたが、どういうわけか演出が無分別に演出補に仕事を振りすぎる。指示を出すにしても少し考えてから動けよ。無茶な指示をしても、言われた演出補の女の子がぜんぶ「イヤです」と拒絶するので結果ほとんど指示した男性スタッフが自分で動いているのはちょっと笑えますけど、それもドキュメンタリーの緩急程度の役にしか立ってませんし、何より、そういう意図ならやりすぎれば逆効果。

『ほん呪』で言えば長篇2本立てに相当する、力の入っているはずの巻なんですが、出来はだいぶ悪い……。

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