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今年3月リリースの『心霊闇動画31』を鑑賞しました。飼っていたペットの死を悼み、仏壇まで作った女性を撮影していると奇妙な現象が起きる“イグアナの女”、恋人と旅先で泊まった宿の浴室に人影を見つけ、確かめに行くと、異様な出来事が撮影者達を襲う“旅館の風呂”、地下アイドルとして活動しようとしていた女性達が、PV撮影のために借りた親戚の蔵で異様な体験をする“時空を越える”ほか6篇を収録。
前巻をそんな詳細に覚えてるわけではないんですが、音楽をリニューアルしたっぽい。スタッフも多少入れ替わりがあった模様……とはいえ、相変わらず『ほん呪』の流れを汲む長田明子演出補が在籍しているくらいなので、基本的に『ほん呪』を踏襲した作りになってます。映像の傾向が似たり寄ったり、しかも真っ暗で見辛いものを無加工のまま見せてしまっているので、いまいちピンと来ない代物も多いんですが、映像で展開する出来事や、取材部分で判明する事実で不気味さを炙り出す作りは安定しているので、わりあい安心して観ていられる。
巻末の“時空を越える”は正直、あまりに話が行きすぎている感があるのですが、ちょうど真ん中に入っている“旅館の風呂”と“自殺の名所”は興味深い。“旅館の風呂”もおよそあり得そうもない出来事なんですが、このシチュエーション自体が見応えがありますし、“自殺の名所”は映像内で起きる怪奇現象以上に、投稿者や映像に映る人々の言動に闇の深さが滲んでいる。最後に仄めかされる事実も薄気味悪いけど、投稿者達も人としてだいぶヤバいと思う。
このシリーズ、今年はまたハイペースで発表していて、ここから今月まで毎月リリースしてます……怪奇映像好きとしては借りるものがあるのは嬉しいんですけど、乱発しすぎて大丈夫なのか、とちょっと心配でもある。
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