……タイキックで済むといいですね。たぶんもう無理ですが。
吉本興業・岡本昭彦社長の会見のあまりにも馬鹿馬鹿しい内容に、これだけで終わらせようかと思いましたが、やっぱりちよっと書きます。
準備時間は2日ありました。恐らく、「謝罪会見がしたい」と早い段階から訴えていた、という宮迫・亮と比べれば心構えの時間は短かったとも言える。しかし、そもそも宮迫たちの反応が硬化し始めた時点からこういう可能性は発生していたわけで、この準備の乏しさ、危機管理がまったくなってない。
それが如実なのは会見冒頭、ファイルで用意していた文章を読み上げるくだりです。質疑応答ですべて真摯に答えるつもりだったのかも知れませんが、多くのマスコミ、その後ろにいる一般視聴者の関心がどこにあるかは承知したうえで、そこの弁解、謝罪こそ最初にあってしかるべきです。にも拘らず、最大の関心事のひとつであるパワハラ発言について、用意した原稿に入っていなかった。この段階で既に、いわゆる“空気が読めない”状態に陥っている。まがりなりにも芸人を束ねる企業の長ともあろう者が。
そして、この点に言及していないがために、“芸人ファースト”という表現はおろか、“コンプライアンス”という表現すら実態を失っている。たぶんあの社長はコンプライアンスを「反社会的勢力の排除すること“だけ”」ぐらいにはき違えている、或いはそうとしか取れない状態になってしまった。コンプライアンスは砕いて言えば“法令やルールを守ること”であり、そこにはパワハラの排除も含まれなければいけない。我が社はコンプライアンスを固持する、というのであれば、自らのコンプライアンス違反であるパワハラ発言に触れ、まず謝罪しなければいけないのです。
しかも、いざその問題発言を追求されて出て来た言い訳が「冗談のつもりだった」……パワハラという言葉を用いるまでもない、いじめをする子供がよく口にする言い訳のレベルです。あれで世間に申し開きできる、と思っている時点で、企業の長の器量ではありません。
ツッコミどころは他にも無数にあるのですが、いちばん際立っているここだけに留めておきます。私自身の関心事に絞って言えば、どうやらこれで、宮迫博之、田村亮についてはいずれふたたびテレビでお目にかかれる可能性は高くなったし、観ている番組そのものが無くなる可能性はちょっと小さくなった、と感じたので、ひとまずの溜飲は下りた。でもその代わり、吉本周辺の芸人を巡る情勢は更に荒れそうで、またぞろうんざりしてます。
とりあえず、明日以降のテレビ番組で視聴者に謝罪し、関係各社のスタッフに謝罪して回ることになるであろう吉本の芸人達には心から同情します。『スッキリ』で激昂した加藤浩次はいまごろ肚を決めてそうだなぁー……。
コメント