- 出版社/メーカー: アムモ98
- 発売日: 2019/01/07
- メディア: DVD
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今年1月リリースの『心霊~パンデミック~フェイズ14』を鑑賞。昨年夏に多発的に確認された奇妙な噂を記録したふたつの映像を採り上げた“うばぐるま”、ユーチューバーが最後に残した映像に記録された異変“かいふう”、制作会社に相談に訪れた夫婦が持ち込んだ動画に、スタッフと面識のある人物が映っていた、という事実から始まる検証“あの世への招待 それから”前後編など6篇を収録。
……相変わらず微妙な出来でした。
ただし、創意工夫は感じる。同じ事象をふたつの切り口から描いた“うばぐるま”や映画撮影の予定が狂ったことで始まる“なをよぶ”など、導入や描き方は多彩でそれなりに面白い。ただ、肝心の映像のわざとらしさが強すぎて信憑性を大いに損なっているのがもったいない。もうちょっと丁寧、繊細を心懸けた方がいいと思う。
そしてやっぱりいちばんの問題は長篇です。制作会社に相談に夫婦が相談に訪れたところから始まりますが、この人たちがどういう繋がりで相談に来たのかがまったく解らない。なにせ直後に女性スタッフの身に前巻から繋がる異変が起きてしまい、そこからは完全に彼女メインになってしまって、夫婦の存在がほったらかしになっている。夫婦はなんでここに相談に来たの? 問題があるから話を聞きに来たんじゃないの? スタッフはなんで映像の中身や彼らの事情も知らずに制作会社に招いてまで相談を受けてるの?
そのあとの出来事も、色々と衝撃的ではありますが「どうしてそうなる?」「なんでそこで話が終わる?」というのが連続していて、悪い意味で釈然としない。ノンフィクションっぽく見せたくて雑然と出来事を羅列しているにしても、スタッフがきちんと考察する過程くらいないと観る側はモヤモヤするだけです。
最後の、少々乱暴な解決方法は決して嫌いではない……んですが、あれを視聴者に受け入れさせたいなら、やっぱり前提としての繊細さは必要。本当にそろそろ姿勢を見直さないとまずいと思う。
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