TOHOシネマズのシネマイレージがやたらと貯まっております。フリーパスを発行するタイミングがなかなか見つからなかったのです。1ヶ月フリーパスの発行は年内で終了するというのに、いま現在、2回は発行できるくらいのシネマイレージが残っている。こうなりゃ多少は回数が少なくなる可能性があったとしても交換してしまったほうがいい、と悟り、きょうの映画鑑賞で遂に入手してしまいました。
映画館はTOHOシネマズ日比谷……しかし出かけた時点ではまだ取りやめる可能性も考えていた。まず、出かけた時間がギリギリなのが問題でした。TOHOシネマズ日比谷に近く、なおかつ安いバイク駐車場は1箇所しかない。映画館が入っている東京ミッドタウン日比谷の地下にある駐車場は、空いているけど如何せん映画を観るとけっこう高くついてしまう。そのため、安い方の駐車場が埋まっていたら、そこで引き返すつもりでした。
幸いにも駐車場は空いていました、がハードルはもうひとつ残っている。TOHOシネマズでは昨年頃からシステムを変更しており、フリーパスやポイント交換による鑑賞が出来る座席数は限度が設定されている。もし枠がなかった場合も諦めるつもりでした――まあ最悪、同じ時間帯の別作品に切り替えることも考慮していた。しかしこちらもクリア、無事にお目当ての作品でフリーパスの1本目を飾ることが出来たのでした。
鑑賞したのはクエンティン・タランティーノ監督第9作、実際の事件を題材に、架空の元スター俳優とその竹馬の友であるスタントマンの目から見た1969年のハリウッドを虚実交えて活写した『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(IMAX)』(Sony Pictures Entertainment配給)。IMAX版での上映は今日でおおむね一区切りとなってしまうので、急いで来た次第……まあ、内容的には決してIMAXにこだわる必要はないかな、とは思ってましたが。
ラスト20分で映画史が変わる、という攻めた惹句にいささか身構えて鑑賞してしまったのですが……そういうことかい。確かに映画史が変わったかも知れない。なまじ当時について知識があると終始身構えてしまって、いつものタランティーノ作品らしい緊張感に襲われっぱなしなのですが、しかしその点を除くと、当時の映画界へのオマージュとリスペクトのふんだんに詰まった、洒脱な作りになっている。この頃、テレビから映画に軸足を移そうとして失敗した俳優たちが投影された主人公たちのプロフィールはもちろん、そんな彼らが実在の人物たちと絡むくだりの遊び心が楽しい――かのブルース・リーの扱いには遺族らからクレームがついているようですが、漏れ聞く話ではこういう一面もあったと言われており、私はフェアな描写だと思う。単純に高潔なひととするよりも親しみが持てる。そして、実際の出来事と絡めたうえでのクライマックスのインパクトは色んな意味で強烈。このくだりはタランティーノらしい暴力性が滲みますが、全体としては抑えめ。台詞は相変わらず洗練されてますが従来のような無駄話っぽさも削ぎ落とされ、尺は長いのにテンポがいい。ほんとーに映画史が変わったかどうかは別として、他のタランティーノ作品よりも入りやすく、そして文句なく楽しめる、という意味で、代表作としてもいい作品ではないでしょうか。
当初、もう1本ハシゴしようか、とも考えていたのですが、午前中の行動を誤り、仮眠がまったく取れず、これで2本観たら帰り道でヘロヘロになってしまう、と思い断念。寄り道せず、家で普段通りに夕食を摂りました。
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