先日、改めて六代目けいすけの味について語ってたら、四代目についてもちゃんと触れずにはいられなくなってきました。
それぞれの店舗で特色を強く打ち出すけいすけ系でも、ここはたぶんいちばん個性的でした。
つけ汁は2パターンあって、昼は渡り蟹、夜は伊勢海老をとことん煮詰めたスープを用いている。いずれにせよ、麺に絡めると一気に広がる甲殻類の甘く香ばしい風味が堪らない。
どういう基準なのかは不明ですが、伊勢海老の滴を提供している時間帯のみ、麺を片面だけ焼いてもらうことが出来ました。これが実に美味しい。焼いているため啜ることはむろん出来ませんし、レンゲで押さえつつ解さないと食べられない、若干面倒くさい状態ですが、麺のもちもち感と香ばしさのミックスが手間を帳消しにしてくれます。伊勢海老の滴にはレモンもついているので、ちょっとくどさを感じはじめたら、麺に絞って爽やかな酸味もプラスできる。私は更にトッピングで海苔まみれにしてました。磯の風味を加えるのが最高なのです。
そしてもうひとつ、私がここにハマった決定打は、ライスボール。一般的なつけ麺のお店では、残ったつけ汁を薄めて飲むためのスープ割りを提供するところが多いのですが、ここはその代わりに、ピンポン球くらいのサイズに丸めて揚げたライスボールを入れてくれる。これをレンゲで砕いてスープと混ぜると、また美味しい。どうやら中にカレー粉が練りこまれていたそうで、風味も変わりますが、ドロドロのつけ汁がお米に絡んで、リゾットのような雰囲気になる。しかも軽く揚げているため、ちょっと焦げた部分の歯応えと香ばしさがまたいい。余ったトッピングの海苔もつけ汁の器に投じると更に美味しい。
健康上の都合で、どこのラーメン店に行ってもスープを最後まで飲むことは控えている私ですが、ここでは最後の一滴まで貪ってました。胃のコンディションが悪く、通常の分量が入りそうにないときは、わざわざ麺少なめをチョイスしてでもライスボールまで堪能してました。執着しすぎるあまり、体調不良を押して出かけてしまい、帰りにリバースして後悔したことさえあります。いま思い出しても悔しい。食べきれなかったのもあのときいちどだけだった。
あまりにお気に入りだったせいで、閉店からもう9ヶ月以上も経っているのに、未だに惜しまれてなりません。なんとか復活してくれんだろうか。同じ場所でなくてもいいから。
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