昨日、ここのブログを更新したあとのこと。
自宅で夕食を摂り、電車にて新宿へ。今年初の徹夜イベントの前に、映画を観るために少し早めに現地入りしました。
最初は、あのイベントとも縁のあるかたの新作を観るつもりだったのです。そのつもりで予定表に仮のスケジュールを入れていましたが、いざ当日が近づき、各映画館の時間割が発表されてみたら――ぜんぶいまいち具合がよくなかった。午前中にも映画を観てくるので、夜に出かけるのは遅めにしたい、しかしあんまり遅いと、せっかくイベント会場に早く入る権利を手に入れているのに、出遅れる結果になってしまう。やむなく当初のお目当ては週明け以降にまわし、他になにか適当なものがないか捜し回ったら、個人的には最高の奴が見つかってしまった。ぶっちゃけ、今回細かく調べてなかったら見落としてた可能性もある作品でしたが、遭遇してしまった以上は拾うほかない。
訪れたのはおよそ1年4ヶ月くらいぶりのシネマート新宿。鑑賞したのは、40年前に映画祭で封切られて以来、関係者に大量の死者が出た、という忌まわしきホラー映画の封印を解いた『アントラム 史上最も呪われた映画』(TOCANA配給)。……この触れ込みがあまりに私好みすぎて、スルー出来るはずがなかった。
てっきりドキュメンタリー形式にして本篇を解体して紹介しているのかと思いきや、まさかの本篇ぜんぶ入りでした。いやヤバいんじゃないの? 死んじゃうんじゃないの? 危険を承知の上でご鑑賞ください、ってお前は『ほんとにあった!呪いのビデオ』か?!
しかしこの本篇、呪いはさておき、低予算ホラーとしてなかなか工夫が凝らしてある。キャストは少数、ロケも最小限、その中でいかに異様なムードを醸成するか、にこだわってる。登場人物がなにをやろうとしてるのか、勘のいい観客なら解りますが、それを乗り越えて侵入してくるゾワゾワする怖さ。締めくくりも観る者の心をザワつかせる、けっこういいホラー映画です……むしろ、変な説明つけずに本篇だけでもいいんじゃないの? っていうくらいに。意外にも、期待してたドキュメンタリー部分がもしかしたら邪魔なのかも、と思ってしまった。
……それにしてもこのTOCANAという配給会社知らないなー、と思い、検索をかけてみたら、やたらといかがわしいサイトがヒットした。まじか、と目を疑いながらも確認すると、ちゃんとこの映画に関する記事もある。封切り前に除霊を試みる、という無茶苦茶怪しいイベントの記事でしたが、そのなかに本篇を買い付けた人物が登場しており、その名前を見て色々と納得がいきました。
叶井俊太郎氏でした。
あの『アメリ』で想定外の大ヒットを飛ばしたあと、『えびボクサー』なんてゲテモノを買い付けたりそのついでに『いかレスラー』の企画に携わったり、色々と話題を振りまいていた方です。その辺の経緯を思うと、この映画に目をつけたのにも、こんな変わったプロモーションをしてるのも納得がいきます。そしてまんまと乗せられてしまった自分がちょっとイヤ。
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