底無し沼に底はない。

先月すこし気張って観すぎた反動で、火曜日は出かける気がしなくなり飛ばしましたが、きょうは意を決して出発。

夕方近く、電車にて赴いたのは、ヒューマントラストシネマ有楽町。バイクを使いたいところですが、駐車場を捜してるうちに遅刻したら目も当てられないし、だいいち今日は五十日にあたる。移動に費やす時間も考慮して、バイクは諦めました。

鑑賞したのは、1970年代のドイツ・ハンブルクに実在した殺人犯の姿を、おぞましいばかりのリアリティで描いた屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』(Bitters End配給)

ひたすらにグロテスク。テッド・バンディのような巧緻さもなく、『モンスター』のアイリーン・ウォーノスのような精神的な拠り所もない、欲望と衝動だけで殺人を繰り返した男の姿を、残酷なくらい剥き出しで描いている。ホンカに限らず、彼が多くの犠牲者を捕まえてきた酒場ゴールデン・グローブにたむろする男たちや、年老いた娼婦たちの姿に、社会から弾き出された人びとの報われぬさまが容赦なく鏤められていて、隅から隅まで痛々しい。こういう、ほとんどまともに隠蔽工作もしてないような殺人犯が何年も犯行を重ねられていたことにも慄然とします。『ゾディアック』や『テッド・バンディ』とも違う、剥き出しの実録感が重い傑作。評価は高いけど、映像も行為もグロテスクすぎて迂闊に薦められません。

……それにしてもなんか今月はカロリー高めの映画ばっかり観てる気がします。このあたりで少し伸び伸び出来るよーなものが観たいところですが……現時点ではこの先まだ3連発でカロリーが高い予定。気疲れしそうだ。

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