キャビン・アテンダントまでが共謀したハイジャック事件。着陸予定のヒースロー空港に待機した捜査陣のひとりが、乗客のなかにゴルゴ名前を連ねていることを察すると、彼に解決の手助けを依頼することを思いつく。捜査官は取引の過程で機転を利かせ、人質を絞り込み、その中にゴルゴを紛れ込ませたが……
ゴルゴの技術ではなく、犯人たちの監視する剣呑な状況下で如何にして彼を利用するか、という特異な趣向。こういう、凄腕であることが大前提のアイディアを披露することが出来るのもこのシリーズの特色です。
如何せん密室の出来事で、序盤の犯人たちの策動を除けばろくに動きのない絵なのですが、それゆえに場面場面のクオリティはなかなかに高い。犯人たちは全般に手抜きであるものの、ゴルゴと彼の能力を知っている人物の表情は細やかに描かれていて、見応えはありました。
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