マイルス・デイヴィスがCBSに在籍していた最後のころのアルバム『Decoy』より。若手に押されるようにして復活した『The Man With The Horn』で示したポップとブラック・ミュージックへの傾斜を強め、それが更に歌心にまで昇華した『You’re Under Arrest』に繋がっていく過渡期的な作品。結果として、アコースティック期終盤からエレクトリック初期を支えたチック・コリアやハービー・ハンコック、ウェイン・ショーターらがそれぞれのユニットで成功させていったフュージョン・スタイルを踏襲して膨らませているように感じるのが面白い。引用した曲はベースの強烈なフレーズから始まり、狂騒的ながらスタイリッシュな仕上がりになってます。
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