読書好きの白浜兼一は中学からずっといじめられっぱなしの日々を送っている。高校進学で多少はましになるかと思えば、やはり状況は変わらず、自己防衛のために入った空手部でもサンドバッグ代わりにされてひたすら殴られるだけの毎日。だが、転校してきた少女・風林寺美羽との出逢いが、彼を梁山泊へと導くのだった……
……なんか呼吸が変なんですが。演出の流れがかなり荒れていて、観ていてなんとなく酔っぱらったような感覚に陥ります。たぶん後半の、美羽がヤクザたちと闘い、また彼女の紹介で兼一が梁山泊に赴き非常識な達人たちに遭遇するくだりまでを速やかに盛り込むために序盤が駆け足になった弊害でしょう。まあ、全体の構成を思うと仕方ない気はするんですけど、でももー一工夫が欲しかったところ。
絵が予想以上に動いていない――のはまあ別に構いません。それもまたバランスの問題ですし、この作品では演出の一環のように見せかけてうまく誤魔化している。今回は美羽が一方的に素人を翻弄しているだけだったので、アクション的な見せ場はありませんでしたが、しかし次回以降はこの辺のバランス感覚がちょっとは活きてくるのでは、と期待したい。
声もそこそこに雰囲気は合っていたので、原作読者としてはまあまあ評価できる纏まりでしたが、これで初めて作品に触れる人にはかなり微妙な仕上がりだと思われます。敵役が出始めてからかなあ、本格的に面白くなるのは。……半年ぐらいやらないと到底辿り着けないが、そんなにやるんでしょうか。
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