フリーパス3日目は、きのうに続いての封切り作品鑑賞……ただし『魔法使いの弟子』とは条件が異なり、こちらは単館系で、本日観られるのはまだTOHOシネマズシャンテ1館だけ。しかも大きな賞を獲得し、公開が迫るにつれ一部では話題を博していたので、混雑しているのは想像に難くない。フリーパスは当日のチケットしか確保出来ないので、きのう日劇まで訪れたときに押さえたかったのですが、そうも出来ない以上、早めに現地入りするしかない。上映開始40分前ぐらいを到着の目安にして、今日も自転車でお出かけ。
……シャンテの封切り日に行列を見たのは今回が初めてじゃない。でも、ここまで並んでいるのを目にするのは久しぶりでした。どうにかチケットを確保して劇場に飛び込んでみれば、もう大半の席が埋まっていて、最前列の右端から3番目、という私でも普段は敬遠するような場所ぐらいしか空いていない。たぶん、到着があと5分遅れていたら間に合わなかったでしょう。……もっとも、こちらはフリーパスを持っているので、駄目だったら別の日にすればいい、と同じくらいの時間帯にかかる別の作品もチェックしてあったんですけどね。
やたら大盛況だった本日の作品は、今年度アカデミー賞外国語映画賞部門受賞作、アルゼンチンはブエノスアイレスで25年前に発生した事件の秘密を、引退した裁判所書記官が解き明かすミステリー映画『瞳の奥の秘密』(LONGRIDE・配給)。広告には有栖川有栖氏の讃辞も掲載されてます。
観終わって、しばし言葉を失う。これは素晴らしい。正直、途中は話をどこに持っていくのか解らず散漫になりそうな危険を感じたのですが、しかしそうした描写がちゃんと心理的な伏線となってクライマックスの衝撃に繋がっていく。そして、そのあまりに切なく哀しい真実を、同時に紡がれていたもうひとつのエピソードが優しく包みこむ。この無駄のなさ、そして齎される余韻の深さは絶品。夏休み、子供向けの映画ばかりじゃねーかとお嘆きの方には是非ともお薦めしたい――但し、まだTOHOシネマズシャンテのみの上映で、今後順次全国で公開される予定ですが。とりわけミステリ愛好家ならば観ておいて損はないと思います。
鑑賞後は取引先の方と有楽町駅で落ち合って打ち合わせ――というか概ね雑談でしたが。14時半ぐらいにお別れして帰宅。……完全に電池切れで、昼寝をしたら18時半まで目が醒めませんでした。
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