当初、今日は映画を観に行かないつもりでした。ある作品の初日舞台挨拶のチケットが取れれば出かけようかと考えていたものの敢えなく玉砕、そうなると混雑していることが明白なGWの映画サービスデーに映画館に足を運ぶなど私にとっては自殺行為。体調は万全どころか未だに鼻風邪を引きずっているし、早めに片付けたい作業もある。
しかし昨日、何気なくTwitterを眺めていたら、驚くべき情報に遭遇した。現役最高齢と言われているポルトガルの映画監督マノエル・ド・オリヴェイラの新作(というか、日本でまだ公開されていなかった作品)が、岩波ホールにて1日から公開されるというのです。
個人的にオリヴェイラ監督の作品はなるべく劇場で鑑賞する、と誓っているので観に行くのはいいとしても、やはりこの混雑必至の1日に行くのはどうかな……などと思いつつ、実は岩波ホールを訪れたことがどーいうわけか1度もなかったため、問い合わせをして料金を確かめてみると、何とここ、私の持っている某協会の会員証で可能な割引額がかなり少ない。ほとんどの劇場では一般1800円のところ1000円になる、だから映画サービスデーに敢えて劇場に行くことがなくなったのですが、岩波ホールでは1600円にしかならない。ここは全般に割引幅が小さく、最も料金が安くなるのは、映画サービスデーの1400円だったのです。
これはもう、今日観に来なさい、と言われているとしか思えない。そーいうわけで、急遽お出かけ。
もともと本日は次の新耳袋トークライブのチケットが発売される日でもあり、かなり早めに自転車でお出かけして、まずはローソンに立ち寄る……去年にLoppiの端末がリニューアルされてから、異様に早い番号が取れるようになったんですけど。
そこからだらだらと自転車を走らせ、岩波ホールのある神保町へ。しかしどれほどちんたら走っても40分ぐらいで着いてしまいます。まだ早いかな、と思いつつも窓口を訪ねると、既に開いていたので、とりあえずチケットを確保。自転車をなるべく邪魔にならないだろう場所に移したり、ちょっとうろうろしてから、ビルの10階にある劇場へ。どーでもいいが同じビルにマッグガーデンが入っているな。
さすがに年季が入っていて古びた印象はありますが、雰囲気は大変に落ち着いている。ドリンクホルダーのような設備はないものの、座席の座り心地も悪くない。料金設定が高く作品も渋めのものを選んでいるせいもあってか、客層も明らかに映画好きな方が多いと見え、観客のお行儀が非常によかったのも好感が持てました。
しかしこの劇場、何よりも驚かされたのは、上映前にホールの責任者からの挨拶があったことです。どうもオリヴェイラ監督作品上映は前々からの念願だったようで、それ故の特別な措置だったのかも知れませんが、何にしてもちょっと驚きました。
――で、肝心の作品は、オリヴェイラ監督2007年の作品、コロンブスが実はポルトガル人だった、という新説を提唱した人物の姿を追って、ポルトガル人の航海の歴史を辿るドラマ『コロンブス 永遠の海』(alcine terran・配給)。
正直、オリヴェイラ監督の作品、個人的には大好きなんですが、 他人様にお薦めしようとはあまり思いません。今回もそうなんですが、あまりに淡々としすぎていて、たぶん合わないとまるで面白いと感じないでしょう。私はそのじっくりと表情や光景を追うカメラワークや音楽の心地好い使い方、吟味しがいのある表現が好きで、その意味では今回も大満足なんですが、コロンブスを巡る新説を扱っている、というには説明があまりに足りないし、謎を魅力的に見せる工夫もないので、人に説明するにはそこを割り引かないとまずい。でも、いい映画なのは間違いない……とやっぱり説明するのはめんどくさいんですが、何にせよ私は堪能いたしました。
移動経路に、先だってのお台場ラーメンPARKにずっと出店していためん徳二代目つじ田の店舗があったのは前々から知っていたので、昼食はそこで摂ってきました。靖国通り添いの店舗はかなりの混雑だったものの、外堀通り添いの“味噌の章”と銘打った店舗のほうはかなりゆったりとした列だったので、こちらで玉子入りのつけ麺を注文。お台場で食べたよりもスープはさらに濃く、麺もコシがありましたが、やっぱり私好み。今後もときどき立ち寄りたい……のですが、正直いつなら空いてるんだろうな、ここ。“味噌の章”は、私が退席する頃には列もだいたい解消していたのですが、お茶の水店のほうはまだまだ店の外に並んでました……。
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