ハウス医師が“隠れ場所”代わりに利用していた病室の昏睡患者の家族が、てんかんに似た症状を起こした。昏睡した患者以外に、彼の過去や病歴を知る者がないために、ハウス医師は余命を縮める可能性を承知の上で薬品を投与し、10年間昏睡していた患者を目醒めさせる。目醒めるなり元気に振る舞う患者は、だが自分の余命が幾ばくもないと知ると、想い出のサンドが食べたいと言い出した……
いつも以上に奔放なハウスが問題を起こしまくる、かと思いきや、目醒めた患者が思いの外強敵で、逆に振り回されているという。まあ、当人は診察のうえでの面倒から逃げるほうが優先のようなので、これはこれで本望かも知れません。
相変わらず紆余曲折を辿る病因探求も見応えがありますが、しかし今回注目すべきは、患者の質問に応える形で暴かれる、ハウス医師の過去です。患者から「どうして医者になった?」と問われ、最初は誤魔化しているのですが、交換条件を突きつけられてとうとう口を割る。そこに出て来るのが、何と日本。しかもここで触れられる、幼いハウスに衝撃を与えた出来事は、確かに日本で起こり得て、それでいて日本のドラマではほとんど採り上げられることのない内容なのです。ウィキペディアで『Dr.HOUSE』の情報を漁っていたとき知ってしまった話ながら、実際の扱いを見ると、改めてこのドラマが一筋縄でいかないくらい掘り下げて作られているのが解ります。
今回もまた苦い結末、しかもウィルソン医師との友情にもしこりを残す締め括りとなってしまいましたが、そういう苦みも含めて静かながら強いインパクトを与えるエピソードでした。
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