63年後の家族の姿。

 今日は、ただただ“映画が観たい”という衝動が募ったが故に出かけて参りました……観たいものを我慢し続けてると上映が終わっちゃうしね……。

 衝動が先だったもので、観たい作品のなかから、午前中に観に行ける作品をリストアップし、朝起きてみてから体調や空模様と相談して決めることにしてました。体調のほうは良好、空はどんよりとしているものの降る気配はないので、TOHOシネマズ日本橋で探していた作品を選び、自転車にて移動。

 鑑賞したのは、山田洋次監督最新作、『東京家族』のキャストを再結集、突然母親が離婚届を突きつけたことで起きる家族の騒動をコメディタッチで描いた家族はつらいよ』(松竹配給)。山田監督は藤沢周平3部作が大好きなのですが、その後、現代劇メインに戻って以降は、気になりながらも観逃すことが続いていました。しかし今回、鑑賞券を頂いたので、こればっかりは無駄には出来ない、と思い、公開間もないうちに早速観に行ったわけです。松竹系作品ですから、丸の内か新宿のピカデリーで観るつもりでいたのですが、やっぱり日本橋の使い勝手がいちばんいいので。公開初週なので全日かかってるし。

 いままでどーして縁遠くなってたのか、自分を訝りたくなるくらい、安定の面白さでした。おおまかな筋は予想を超えないんですが、その“来て欲しいところに来る”感覚が心地好く、けっこうな騒動なのに笑えてしまう。誰ひとりとして本当に突飛な人物造形はしておらず、言動にいちいち身近な印象があるのも絶妙。個人的にも、覚えのある出来事があちこちにあって、しばしば苦笑いする場面もありました。そして、そうした居心地のいい作品世界を支えるプロットの、無駄のない構成に唸らされます。

 撮り方からしてなんとなくそう感じてましたが、エピローグ部分であからさまに小津安二郎へのオマージュであったことを窺わせる描写があります。しかも作品は、『東京物語』。新・午前十時の映画祭での上映と同時期になったのはたぶん偶然だと思われますが、その気になれば『東京物語』とハシゴすることも可能、というのはなかなか貴重な機会だと思います。同時に上映しているのはあと明日、明後日限りですが、興味があれば続けてどうぞ。

 鑑賞後はいつもの店……ではなく、前々から気になっていた、日本橋にある立ち食い蕎麦の店で摂りました。テレビ番組で紹介されているのを眼にして、チェックはしてあったのですがなかなか立ち寄る機会がなく、このあいだふたたび紹介されたのを観て、とうとうたまらず訪れたわけです。日本橋界隈のビジネスマンに人気の店、しかも店舗が小さいので、それなりに並ぶのですが、低価格でかなりの美味しさなので、並ぶだけの甲斐はありました。立ち食いなので、回転もまあまあ速いのです。昼食時はいつも混んでいる店のようですが、今後も機会があったら利用したい。

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