相変わらずコロンボ漬け。

 録画が終わってからというもの、親子揃ってずっとコロンボ観てます。録画に利用したチューナーは母の部屋にあるので、基本は母が時間潰しに観ているのですが、私も録画の整理がてら、ときどき母に付き合って鑑賞してます。お陰で毎日1、2本観ている。
 それにしても、どのエピソードもほぼハズレなしに面白い。初期の『二枚のドガの絵』のような、クライマックスで犯人がぐうの音も出なくなる決着が好きなんですが、25作目『権力の墓穴』になると、この鮮やかさに緻密さが加わって、プロセスにも見応えが増してる。
 しかしいまのところ、鑑賞したなかでいちばんのお気に入りは、倒叙ものではない60作目『初夜に消えた花嫁』だったりする。他のエピソードではあまり描かれない、コロンボの警察内部での立ち位置や、意外なアクティヴさが覗く一方で、ちゃんとコロンボらしさも鏤められてる。シリーズとしては珍しい結末を、しかし洒脱に飾る最後の台詞もいい。ちなみにこの作品の原案は、“87分署”シリーズで知られるエド・マクベイン……だから警察小説っぽいのね、きっと。

 あと、このコロンボを観るときの愉しみの一つは、日本での初放送時にカットされた部分を探すこと。
 コロンボといえば初代は小池朝雄、二代目が石田太郎ですが、映像ソフトでのリリースが盛んになった頃には小池朝雄は既に鬼籍に入っていた。なので、放送時にカットされた部分は銀河万丈が当てて収録しているのです。ちょっとずつ自分のスタイルに寄せていった石田太郎と異なり、銀河万丈はかなり小池朝雄に寄せて演じているのですが、それでも慣れた耳にはやっぱり解る。ああ、放送時はここは不要と判断されたんだな、とか想像しながら観るのもまた一興です。
 ちなみに今回のAXN mysteryでの一挙放映では、最後の数話ぶんだけ、全篇銀河万丈がコロンボを吹き替えたヴァージョンが使われてました。見始めはちょっと戸惑いますが、小池朝雄や石田太郎のテイストも残しつつ、よりキャリアを重ねた老齢のコロンボらしい雰囲気を醸していて、思ってる以上にしっくり来る。

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