むかし住んでいた家の取り壊しがだいぶ迫ってきました。というわけで本日も、片付け……というより書籍のサルベージ作業のために、母の車で移動。
片付けを始めて解ったんですが、当初考えていたよりも在庫の所在はだいたい判明していて、しかもけっこういまの家に置いてあるらしい。体調が不安定になった時期を境にして所在確認が甘くなってるんですが、その甘くなっているあたり以降に買った本は、ほぼいまの家にあるらしい。
そこで今日は、向こうに置いてあるのか不明瞭な箱と、かなり奥まったところに隠れている棚や箱の中を確かめてきました。
いちばんの難物は、ベッドの下に仕舞ってあった箱、です。
私はずーっと、胸許ぐらいの高さのあるベッドを使っていました。その下に収納する箪笥や本棚、簡単なデスクがセットになったものなのですが、構造上、ベッドの下の空間が少し空いている。そのため、本を詰めた箱をこの中にしまい込んでいた覚えがある。前回、前々回の訪問でだいぶ探ったはずですが、未だに見つからない本や、詰めた箱が残っており、ここを探らないわけにはいかなかった。
先に来ていた母がベッドの上に放っていた本を下ろす。すると現れたのは――なんかの卵の殻。
……ひとが住まなくなった家の宿命で、出入りが減ってからというもの、ネズミが増えた形跡がこの家にはある。それはまあ仕方ないのですが、しかし現在、あいつらの気配は一切ない。どうやら、どこからともなく入り込んだ青大将が、ぜんぶ駆除してくれたらしい。
つまりはこの卵は、その青大将が繁殖していた証。ネズミを退治してくれたことには感謝してますが、急に出てきたらイヤだなー、と思いつつ、ベッドの底板を外す。
思っていたほど、箱はない。ふたつはただの空き箱、残りは傑作だけど既に愛蔵版を持ってるとか、今後の復刻が期待出来そうなものばかり。これならほとんど処分しても問題はなさそう。
ただ、箱を引っ張ろうとしたら、あっさりと壊れてしまった。このままでは持ちあげることも出来ないので、中身を出してしまうことにした。
一部の本が、喰われてました。
人が住んでない、ということは、食品もない。ならば紙を喰うのも道理、ではあるんですが、まさか箱の底から喰ってるとは思わなかった。『エスパー魔美』の端がかじられ、あるシリーズの1巻目に至っては箱の底、しかも端に位置していたせいで、カバー以外原型を留めてませんでした。
さすがに美味しくはなかったのでしょう、被害に遭った本もそこまで多くはないので、基本的には業者に引き取って査定してもらうつもりですが、さすがにボロボロの奴は廃棄するしかありません。それはそれで、整理整頓は必要なので、崩壊した本を嘆きつつ、とりあえず中身を並べる。
ベッドの下をだいたい漁り終えると、僅かに残っていた未確認の箱や、箱に埋もれていた棚を確認。ずっと気になってた『風の谷のナウシカ』原作本(最終巻は初版だ)はじめ、拾いもらしていた本もある程度回収して、とりあえず今日は終了。
ひととおりサルベージしたい本は振り分けたので、あとは残された本を改めて箱詰めし、業者に送って査定してもらうことになる。どー考えても手持ちの箱では足りないので、ブックオフが買取を申し込む利用者に販売している段ボール箱を大量に注文。あとは、これが届いてから詰めていくことになる。
たぶん年度内には取り壊しの手筈が整います。実のところ、「これは手許に残したい」とチェックしてあった本の何冊かが相変わらず発見できてないんですが、そろそろ諦めざるを得ない段階に来てしまいました。
見つからなかった奴は、たぶんいまの家のどこかに埋もれてるのでしょう。そう信じて、あとは潔く処分します。
……チャンドラーの『かわいい女』は現役で市場に出回ってるから、別に買い直したっていいのだ。でも土屋隆夫『針の誘い』は、合本でリリースされた作品集成も現役とは言い難く、単品のものは購入不可能なんだよなあ。最近になって電書で発売されてはいますけど、やっぱり紙の本で揃えておきたいんだよなあ……。
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