本当になくなるもんだなあ。

 解体する家を片付けていると、ゴミというにはあまりにも状態の良すぎるものも出てくる。自分で使えるものならもちろん使うのですが、Tシャツや靴下なんてのは、サイズや趣味もあるので、どうしても浮いてしまう。
 そこで母が思い立って、空いた段ボール箱に《ご自由にお持ちください》と貼って、処置に困っていたものを入れて自宅前に置いてみた。

 数時間で空っぽになりました。

 そういう話をしていたのが午前中、母が用意をして箱を出したのは私が午後の用事に出てからなんですが、私が夕方、帰宅したときには、玄関の前に中身のなくなった箱が置いてあった。
 私自身、ああいう箱を見るといちおう覗いてみはしますが、だいたいピンと来ないので手に取ることはありません。しかし、やってみるとちゃんとなくなるものらしい。今回はたまたま品揃えが通行人のお眼鏡に叶っただけかも知れませんが、片付けを続けていくあいだにまた何か処分に困るものが出て来たら、とりあえず家の前に出してみよう。
 ……でも本は出さないけどね。処分するにしても、さすがに野ざらしにはしたくないわ。

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