感染する狂気と恐怖。[レンタルDVD鑑賞日記その957]

ほんとにあった!呪いのビデオ115(Amazon.co.jp商品ページにリンク)

 8月10日に、2026年4月リリースの『ほんとにあった!呪いのビデオ115』を鑑賞。肝試しに訪れた廃墟の近くで発見された車両を興味本位で探った若者たちが襲われる恐怖《不審車両》、久々に顔を見せた演出補が、カウンセラーから意見を求められたという謎の映像《知覚ノイズ》、今回収録された一連の映像を結びつける《見たら死ぬ動画》など、全8篇を収録。
 というわけで立て続けに《ほん呪》です。夏の連作ゾーンに入る前なので、この辺はもうちょっと間隔があってもいいんですけど、まあいい。
 ビックリしたのは、また藤本裕貴構成・演出に戻っていたこと。美濃良偲が演出補に戻り、前巻不在だった男鹿悠太も復帰している。しばらく前に現場を退いた木勢まりあも映像提供に調査協力で姿見せて、最近のシリーズに馴染んでいる人はなんだかワクワクします。何故前巻だけ美濃演出だったのか、の事情もいちおう途中で明かされていて抜かりない……メインスタッフは自分だけ、あとのふたりは新顔、という、スタッフから昇格ではあまり見ないパターンだったのですが、その事情もこの巻で説明されている……一時的にでもスタッフ増員できるなら、常に配置した方が良くない? とうっすら。
 そして、各エピソードのタイトルの表示が、久しぶりに趣が変わりました。このところずーっと児玉和土演出時代あたりからと同じロゴ、配置を踏襲してましたが、ごく初期の試行錯誤時代の趣があって、個人的にはちょっとワクワクしてしまいました。
 しかし今回特筆すべきは、すべての映像が実質的に繋がりあっている、という点です。それぞれ出所は違うのに、調べると繋がりが浮かび上がり、その先に危険な動画の存在が浮かび上がってくる。しかもその悪影響はスタッフに及び、製作作業の実質的な中断にまで至ってしまう。このあたりの事情について、あえて説明もせずに前巻の演出一時交代をしているのが憎らしい。
 また、いちおう多くの映像に怪異はうありますが、それ以上に、現象の“凶暴さ”に慄然とします。冒頭の《不審車両》もそうだし、お馴染みシリーズ監視カメラも、異様なものは映りこんでいるけれど、そもそもそこにちゃんと存在している人間の行動が怖い。終盤に至ると、取材していた相手までがその狂気に取り込まれている。怪異そのものはこれまでのシリーズ作品に前例があるものが多いけれど、影響が強烈で、ここに取り込まれそうな怖さは、そこまで想像が及ばないと伝わりにくいかも知れません――上にリンクしたamazon.co.jpの商品ページで低評価のレビューをつけている人がいますが、それも解ると言えば解るのです。
 とはいえ、これほど危険が露骨では、確かにスタッフが恐怖するのも解る。大台突破前の95巻から4年、歴代でもだいぶヘヴィな題材を扱ってきた演出が「距離を置きたい」と言い出すのも宜なるかな。
 つまりは結局、次巻から新しい演出に代わるようです。既にリリースされている116巻のデータを参照すると、やっぱり前巻を担当した美濃良偲が起用されたらしい。前巻の出来は良かったし、前々から引き継ぎに向けて準備していたと思われる節もあったので、個人的にはまったく心配してません。次巻以降も楽しみだ。あ、でも、「距離を置きたい」という趣旨なら、藤本演出の復帰があっても別にいいと思うよ。

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