諸々の事情がなかなか解決せず、当分、映画鑑賞はは午前十時の映画祭16だけになるかなー、と思ってました。
が、このあいだ、不意に大事なことに気づいたのです。
松竹系シネコンのポイントサービス“SMT Members”の鑑賞ポイントが、あと数日でリセットされてしまう。
鑑賞ポイントに期限が設定されているのは決して珍しくありませんが、“SMT Members』の場合、最後に鑑賞してから半年、新しいポイントが加算されないと、それまでの蓄積が無駄になる。しかも私は、あと1本鑑賞すれば、次は無料になるところまで来ていたのです。さすがに、観に行かないと悔しい思いをする。
最近、シネコンの会員サービスのリニューアルが相次いでいましたが、松竹もこの流れに乗ったらしい。“SMT Members”はたぶん映画館のポイントサービスでは唯一、無料だったのですが、さすがに色々と不都合が出てきたのか、来年1月頃に予定されたリニューアル以降は、年会費を徴収するかたちになるらしい。
新しいサービスになっても、加入すれば“SMT members”での履歴や貯まっているポイントは引き継がれるそうだし、よっぽど高額でもなければ引き続き加入するつもりですが、どっちにしても、いまポイントが帳消しになるのは悔しい。というわけで、予定外ではありましたが、今日観に行くことにしました。
なるべく朝一番に鑑賞するのがとりあえず現状の私のスタンスですが、お目当ては初回が11時15分。ゆっくりでいいけれど、食事に悩みます。食事について色々悩み、調べもして、まあこれしかないか、と考えをまとめて出立。
行き先は丸の内ピカデリー、鑑賞したのは《マーヴェル・シネマティック・ユニヴァース》最新作、多くの人から忘れられ、ひとり孤独にヒーローとして努めていたピーター・パーカーに、変化の兆候が現れる『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ(字幕・Dolby Cinema)』(Sony Pictures Entertainment配給)。
なんでこれを選んだかというと、現在上映中の作品の中で、特に押さえておきたかった1本、というのもありますが、実はSMT Membersの鑑賞ポイントを利用した無料鑑賞券は、ラージフォーマットには使用出来ないから。TOHOシネマズはリニューアル前もあとも、それぞれの追加料金分を支払えばラージフォーマットでもポイント鑑賞が出来るのですが、SMT Membersはポイントの加算しか出来ないのです。ちょうど、あと1回鑑賞すれば無料鑑賞券に必要なポイントが貯まるところだったし、ならばラージフォーマットで上映している作品のほうがいい。そこで『スパイダーマン』が思い浮かぶのは、私としては必定です。だって、2000年代に入って以降の3代すべてを見届けていて、しかも前作がそれを見事に集約した傑作でしたから、そこから踏み出す新たな一歩が気にならないはずがない。
そして見事、期待に違わぬ出来でした。って言うか、MCU参加以降のスパイディに、個人的に覚えていた不満を払拭する内容。
前作の経緯ののち、親しかった人々と縁を絶ち、ひとり地道に街の治安を守るヒーローとなったスパイディ。“親愛なる隣人”という、このヒーロー最大の特徴を活かした物語になってるのです。スパイダーマンとして署長と連絡を取り、互いに気遣う信頼関係を築いているのにニヤニヤしてしまう。
当然、物語としてはどんどん大きく深刻になっていくのですが、そこにも“大いなる力を持つ者の責務”という、シリーズが最初から掲げてきた問いかけが重くのしかかる。予想していなかった“変化”が絡むことで、もういちどこの命題を突きつける構成が素晴らしい。
しかし今回、何がいちばん衝撃かって、物語として最大の脅威として登場するのが、マーヴェル・コミックに映画でしか親しんでいない者でも解るあの人だったことです。常々、いちばん強いのこの人だろ、と思っていただけに、強敵としてのレベルが半端じゃない。
でも、この戦いの経緯やクライマックスのドラマがまた熱くていい。ふたつの葛藤が重なり、共鳴して生まれる新たな“進化”に、観ていて震えます。このところ、マーヴェル作品も観落としが増えてしまってて、最近の作品についてはあんまり語れない点も増えていますが、しかし本篇の表現は、個人的に最近のマーヴェルに物足りなかった部分を見事に埋めてる。これだから、《スパイダーマン》というシリーズはたまらない。
アクション・シーンの表現やちりばめられたユーモア、スリルだけでなくほっこりとしたシーンも巧みにちりばめられていて、非常に高い充実感。《スパイダーバース》のひとつの集大成となった前作のハードルを見事に飛び越えた――というか、あの大前提あってこそ成立した、トム・ホランド版スパイダーマンとしての最高傑作だと思う。
ちなみに昼食ですが――今回は、映画館の軽食だけで済ませました。
なにせ終了が13時45分、そこから店に移動し、注文、食事を終えて家に帰ると、ろくに休んでいる暇もない。だったらたまには、映画館のコンセッションで売っているもので腹を満たそう、と思ったのです。
ただ、普段こういう策を採らないのにも理由があって――どこの映画館も、食事としては物足りない。
丸の内ピカデリーもご多分に漏れず、飲食メニューがどちらかといえば軽食に限られていて、お腹に溜まりそうなのはホットドッグとフライドポテトくらい。他に足そうとしても、なんか脂分が多いとか、全体での糖分量が過剰になりそうで、この2点を組み合わせるくらいしかない。
フライドポテトは、普通の時間に来ても注文してしまうくらいには美味しいので文句はない。けれどホットドッグはパンにソーセージを挟んで焼いただけ、といった趣で、どうも物足りない。ソーセージ自体はけっこうジューシーだけど、パンはちょっと固めだし、出来ればレタスくらいは挟んで欲しい。
ここに限らず、映画館の食事はこんな感じで、確かに映画のついでの間食、ならいいのかも知れないけれど、そこに食事としての意味を足すには力不足なのです。
今回はやむを得ず、これを食事扱いにしましたが、普段ならたぶんやらない。映画館は、フードの売上が厳しい傾向にあるようですが、そもそも魅力に乏しいのがいちばんの理由で、限られたリソースでどうやって魅力を増していくか、がポイントではなかろうか。一時期、新宿バルト9で提供していたハンバーガーは美味しかった……けっきょくすぐになくなってしまった、と記憶してますが、ああいうのがあれば、もっと積極的に食事として利用するんだけどなー。

丸の内ピカデリー、Dolby CinemaスクリーンのAVP(オーディオ・ヴィジュアル・パス)に表示された『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』特別映像のひとコマ。


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