10月3日、3本立ての映画鑑賞の1本目を観終えてからの話。
このところ日比谷界隈で映画を観たときは、確実性と値段の手頃さから丸亀製麺有楽町店でほぼほぼ済ませていました。しかしこのときは3本立ての2本目が始まるまで、1時間半以上ある。多少は移動があっても、多少の空席待ちがあっても、食事に手間取っても何とか間に合う。
そういうわけで、普段は避けている銀座駅の近く、つまりはいちばん混雑している界隈に足を向けました。
店はもう決めてあったとはいえ、時間的なロスが怖いので道を急ぐ……あちこちで写真を撮るインバウンド客をかわすのがなかなか大変です。こと、歩行者天国のあたりはあっちでもこっちでもスマホのレンズを向け合っている人ばっかりなんだもの。あんまり映りこみたくない私はひたすらうねうね歩きます。
目指していたのは、焼きあご塩らー麺たかはし銀座店。一時期、東京プラザにフランチャイズの店舗があったので、訪れる回数が増えていたのですが、何だか不穏な感じでお店がなくなってから、少しご無沙汰になってました――上野店や歌舞伎町店には何度か立ち寄りましたが、それでも頻度は落ちていた。銀座店の存在は前々から知っていたものの、私が利用する映画館からはちょっと距離があったこともあって、これが初訪問です。
臨時休業とか、混みすぎている、なんてことがあれば別のところに赴くつもりでしたが、並んでいるものの、人数は多くない。予め決めていたメニューの食券を購入して並び、たぶん10分も経たずに入店。
注文したのはこちら、期間限定提供の特製淡麗昆布水つけ麺です。
ホームページで確認したところでは、余ったつけ汁は出汁で割ったりして飲む、というつけ麺ではオーソドックスな方法を勧めてましたが、タッチパネル式の券売機では、看板メニューの焼きあご塩らー麺と同様に、残りの汁に移してお茶漬けにするためのご飯・小がお薦めで出てきている。私がこの系列店を比較的よく利用していたのは、このお茶漬けがツボだったせいもあるので、思わず選んでしまいました……想定していた予算をはみ出したけど。
当然ながら、普通のらー麺を注文された方より少し時間がかかっていましたが、並んでいるあいだに食券を回収してもらっていたからか、メインの料理はわりと早く出てきました。
どこのつけ麺でも、ひとまず麺だけを啜って、食感とか風味を確かめるようにしてますが、昆布水つけ麺はどこでも、まず麺だけ味わうことを勧めているので、迷わず麺だけ確認――確かに、昆布水に浸ったつけ麺だけで充分美味しい。昆布水に含まれた、程よい塩味と出汁が縮れ麺に絡んで、麺の優しい甘みをふんわり感じさせます。本当に、その気になればこれだけでも完食できるかも知れない。しなかったけど。
続いて、つけ汁に漬して啜ってみる。一般に、つけ麺のつけ汁は、同じ店のラーメンよりも濃厚に仕上げていることが多いのですが、こちらは通常のらー麺よりマイルド。恐らくですが、昆布水に浸っている段階で塩分や風味を纏っているので、クドくなりすぎないように調整しているのでしょう。
しかし、このつけ汁がマイルドなお陰で、味わいはほぼらー麺と一緒なのに、らー麺より食べやすいくらいです。私の場合、つけ麺はなんとなく余計に時間がかかってしまう傾向にあるのですが、ちょっとでも健啖家の傾向があるなら、きっと大盛りくらい軽く平らげられます。私はお茶漬けのことも考えて並盛りにしてましたが、中盛りまでは同料金なので、少しでも多いほうがいい、という方は中盛りでいいと思います。
具材も基本的に、通常のあご塩らー麺と同じです。ローストビーフ風のチャーシューが麺の器に載っていて、特製でつく別皿にはたぶん肩ロースのチャーシューが1枚。ここでちょっと残念なのは、肩ロースらしきチャーシューが冷えていること……タレから取り出したばかりのコッテリとした味が欲しい、というわけではないけれど、提供寸前に、しっとりとした食感を保ちつつ温めてくれることは出来ないだろうか。熱々のらー麺に乗るのならいいんですけれど、つけ麺だとちょっと気になります。ちょっとだけ。
分葱や白髪ネギも麺のほうに乗っています。これは、昆布水のみで味わうときに食感や風味のアクセントになるので当然だと思う。実際、これのお陰で尚更に、昆布水漬けのつけ麺だけで食べられそうな気がするのです。
麺を完食したら、私にとってのお楽しみ、お茶漬けをいただきます。ここは卓に必ず、お茶漬け専用のあられやわさびが置いてあるので、ご飯と共につけ汁に投入。そして、実は特製のトッピングとして別皿に用意されてたけど、大半残してある岩のりもここですべて投入――私は自宅でも、海苔まみれのお茶漬けを好んでいるので、たかはしの系列店で食べるときはほぼ毎回、トッピングで岩のりをつけます。一時期、海苔の不漁の影響か、板海苔になったときは、質・量共に物足りなくて切なかった……。
ただ、正直に言えば、つけ汁を用いたお茶漬けは、物足りませんでした。淡麗で、かつ冷めているつけ汁だと、ちょっとパンチが効いていないのです。確か、つけ麺を提供されたとき、「付け汁は1回おかわりが出来ます」と言われたような気がするんですが、その理由はここにあったのかも知れません。新しいつけ汁ならまだ温かいはずでしたし。
最後がちょっと残念でしたが、しかし全体としては美味しい。昆布水つけ麺が持てはやされている理由が納得できましたし、一般のつけ麺よりさっぱりと食べられるのも嬉しいところ。つけ麺の主流となった濃厚豚骨魚介出汁がちょっとクドい、と感じるような人には、こちらの方が合っている。期間限定にせず、今後とも提供して欲しい1杯でした。
と、料理自体は概ね満足だったのですが、お店のサーヴィスには2点、残念なところがありました。
たかはしの系列店では、らー麺にも用いている白だしを単体でも販売していて、食事をする人には基本、お猪口に注いだ白だしが提供されます。この銀座店でも、間違いなく私の前後に入店した方には提供されていましたが、私にはありませんでした。
そして、食事が進んだところで、本当ならご飯の小を注文してあったのに、途中で出てきたのは、どう見ても別のご飯メニューでした。たぶん、私が注文したご飯小よりも高い。けれど私はお茶漬けがいただきたいのです。ご飯だけでいいのです。
どちらも些細なうっかりミスだとは思いますが、重なったことが帰宅してもなおモヤモヤしてます。白だしは散々味わってきたので、今更出してもらわなくても問題がないのも事実なんですが、完全に私のときだけ忘れてたからー……。





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