生憎の空模様です。しかし、今週から来週半ばまでは、映画に行ける日や時間帯に少々制約がある。あれこれ考慮すると、どー考えてもきょう午前中、電車で移動しやすいところに行くのが最善でした。
向かったのは、TOHOシネマズ日本橋……午前十時の映画祭11以外で来るのは久しぶり。鑑賞したのは、《マーヴェル・シネマティック・ユニヴァース》最新作、有史以前より地球で人類の発展を見届けながら、特定の脅威から守ってきた知られざるヒーローが“指パッチン”のあとの世界で繰り広げる戦いを描いた『エターナルズ(2021・字幕・TCX・Dolby ATMOS)』(Walt Disney Japan配給)。
オスカー監督クロエ・ジャオの最新作という位置づけながら、マーヴェル作品としては微妙な評価を受けている作品ですが……確かになあ。
『ノマドランド』にも通じるヴィジュアルの美しさ、心理描写は巧みだし、《エターナルズ》と呼ばれる人びとが古代史にも影響を及ぼしていた、という壮大なヴィジョンは面白い。終盤で対峙する真実も、スーパーヒーローものの“宿命”をものすごいスケールで描いていて興味深い。
ただ、クライマックスにかけて繰り返される変化の背後関係が上手く表現出来ておらず、観客を置き去りにしている感が強い。本当はクライマックスでの変化も含めて、もうちょっと尺を使うか、脚本を更に緻密に練り上げるべき気だったのかも知れません。個人的にはテーマも描き方も好きなんですが、とにかく決着がモヤモヤしすぎて尾を引いてしまってます。お馴染みのエンドロール中盤と末尾に添えられた短いシーンも、原作コミックにまったく接していない者にとっては理解不能な代物になってる。単独のヒーローを描いた作品としては整理が甘く、MCUの1篇としては方程式に収めようとして観客の欲求とズレが生じてしまった印象。題材そのものと、途中までの描写は嫌いではないんだけど。
映画館を出ても未だ外は雨模様、ですが、傘を差して少し歩き、日本橋ふくしま館 MIDETTEに立ち寄って昼食。ここのイートインに老麺まるやが入っていると、ほぼ迷わず選んでしまいます。だって、個人的には理想の喜多方ラーメンなんだもの。
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[…] 原題:“Eternals” / 監督:クロエ・ジャオ / 原案:ライアン・フィルポ&マシュー・K・フィルポ / 脚本:クロエ・ジャオ、パトリック・バーリー / 製作:ケヴィン・ファイギ / […]