鑑賞した本数: 122本
11月・12月で急激に失速しましたが、平均で月10本は維持できました……維持してどうする、という気もするが。
最も多く訪れた劇場: VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ 33本
なんか色々といちゃもんをつけることも頻繁でしたが、設備はいいしメジャーどころも渋めの名作も押さえているし、何よりシネマイレージと六本観たら一本タダ、というサービスに負けてこれほど通い詰めることに。実はスクリーンごとだと渋谷のシネクイントがいちばん多く、6回も訪れていたのですが。
イベントつきで観た回数: 13本
観る本数も多かったのですが、同時に今年ほど熱心にイベントつきの上映に駆けつけた年も珍しい。とりわけ、『ミリオンダラー・ベイビー』初日のモーガン・フリーマンとヒラリー・スワンクの舞台挨拶は心の底から行って良かったと思ってます。二階席にも届くオーラ。
私的ベスト10
順位 | 作品タイトル | 日本公開日 |
1 | 『シン・シティ』 | 2005年10月1日 |
2 | 『ノロイ』 | 2005年8月20日 |
3 | 『エターナル・サンシャイン』 | 2005年3月19日 |
4 | 『ミリオンダラー・ベイビー』 | 2005年5月28日 |
5 | 『サマリア』 | 2005年3月26日 |
6 | 『キング・コング』 | 2005年12月17日 |
7 | 『ALWAYS 三丁目の夕日』 | 2005年11月5日 |
8 | 『運命じゃない人』 | 2005年7月16日 |
9 | 『SAW2』 | 2005年10月29日 |
10 | 『サヨナラCOLOR』 | 2005年8月13日 |
次点 | 『バタフライ・エフェクト』 | 2005年5月14日 |
作品の出来不出来、他人様にお勧めできるか否かを条件に入れるとわやになるので、あくまで好き嫌いでのみ順位をつけてみました。気分も大いに関わってくるので、来週ぐらいに改めて訊かれたら全然違っている可能性も大いにあります。
1位はもう好き嫌いという基準では文句の付けどころのない一本。久々に美学の骨髄まで浸透した傑作でした。銃身を額に突き刺したまま喋るベニチオ・デル・トロが素敵でした。
たぶんいちばん意外に思われるのは2位ではないでしょうか。これも単純な出来不出来で語るなら問題は多々あるのですが、ドキュメンタリーの手法を極限まで深化させ、日本製ホラーの定石を完璧に押さえたうえで、どうしようもなく後味の悪い結末をつける、そのすべてが実はわたしがいちど観てみたかったホラー映画の理想型なのです。現実にこれをやられてしまった、というだけで降参します。ホラー好きだけど未見、という方は、1月末頃にDVDが発売するので、とりあえずご覧ください。洒落になってないから。
3位は計算されたストーリーと、普通の恋愛物が踏み込まないところまで掘り下げた感情描写が秀逸。終盤、崩れていく家でのキスシーンに、さり気ないけれど余韻の深いラストシーンはじめ、場面としての見所が多いのにも好感が持てます。
4位は、クオリティという意味でも今年公開されたなかでトップクラス、アカデミー主要4部門受賞は伊達ではありません。5位は念願のキム・ギドク監督初体験でしたが、一発でノック・アウトされた格好でした。純粋さと残酷さ、そして表現者としての断固たる姿勢が傑出した作品。人に薦めるのは難しいですが、私は大傑作と信じます。
実のところ、スムーズに更新を済ませるために先週時点でざっと順位を作ってあったのですが、『キング・コング』を観たことで『バタフライ・エフェクト』が押し出されてしまいました……どっちも好きなんですけど、『キング・コング』の圧倒的な娯楽性は現時点で否定のしようがない。数日経って落ち着いたら、自分の好き嫌いという意味では順位を下げる可能性もありますが、リアルタイムではこのくらいに入れておかないと。
7位は作品の出来、という意味では今年観た邦画のトップ3に加えてもいいと思います。若い世代の映像作家が丹念に作りあげた、昭和三十年代の日本という世界の完成度が素晴らしい。ストレートな人情劇に徹した役者たちも良かった。
8位の作品については知らない方も多いのではないでしょうか。内田けんじという新人監督の作品ですが、既に各国の映画賞を受賞していて評価は高い、でもやっぱり上映規模は大きくなかったので、映画に詳しい方か、偶然評価を耳にしたという方でないと知らないかも。謎解きではないのですが、一種のミステリ・スピリットに近いものを感じさせる複雑なプロットと、そこから滲み出る人間味が忘れがたい名作です。
9位は第一作の驚異的な仕上がりゆえに抱いていた不安を見事に吹き飛ばした出来に敬意を表して。それでも色々と問題は感じますし、より好きな作品も多々あった、ということでこの順位です。
10位の『サヨナラCOLOR』もどうしても外せない一本、ということで食い込ませてみました。原田知世の激しいまでの愛らしさと、“死”を扱って厭味のない物語がいつまでも記憶に残ります。特に海辺での一連のシーンが秀逸。
で、本当はこれが10位だったはずなのに『キング・コング』で押し出されてしまい、勿体ないのでいちおう次点として残してみました『バタフライ・エフェクト』。色々と矛盾や奇妙なポイントはありますが、その一貫した姿勢と、設定を見事に活かした“映画史上、最も切ないハッピーエンド”はやはり賞賛に値します。
とまあ、ざっと解説してみましたが、基本的に並べた作品は順位など無縁にすべてお気に入りです。本当は『ミリオンズ』とか『銀河ヒッチハイク・ガイド』とか『ランド・オブ・ザ・デッド』とか『ビフォア・サンセット』とか『ボーン・スプレマシー』とか『ダニー・ザ・ドッグ』とか入れておきたい作品も多々あれど、10位+次点に絞ってはこれが限度なのです。
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