『七人のマッハ!!!!!!!』監督・原作・アクション監督:パンナー・リットグライ/主演:ダン・チューポン/配給:GAGA communications

 そんなわけで当初封切り日である今日観るつもりだった『Mr.&Mrs.スミス』は先送り。では何を観るか、とインターネットで予定表を散策していたところ、そういやあそこが今日営業を始めるんだった、と気づいて、様子見がてら渋谷まで出向くことに。

 この秋に渋谷のanimate上にあったユーロスペースがいったん営業を終了、1月28日より道玄坂のほうに新たにオープンする渋谷Q−AXのうちの二館に移転することとなり、空いた劇場を日販が買い取り、新たにシアターN渋谷というミニシアターを開業させたのです。日販の直営劇場という位置づけなので、若干変わった試みもしている、という話を聞いていたので、いずれ早いうちにいちど訪れてみるつもりでしたが、ちょうどここで封切る作品が日本とも気になっていたものだったこともあって、折角だからと営業初日から訪れてみました。

 渋谷のミニシアターでも特に解りにくい位置にある劇場ですが、今年三度目の来場なのでさすがにもう迷わない。階下は相変わらずですが、階段を上がると開業記念の花が無数に並べてある。まだ会場には早いものの、目当ての作品の初回は整列順での入場となるので、本を読みつつ待つ。

 10時35分に開場。スクリーンのある場所は変わっていませんが、中の雰囲気は思ったより変わっていました。まず、入って右手にあった受付と売店が入口の正面、配置としてはシアター2のある壁際に移されている。チケットを購入する列に正面入口が塞がれないし、悪くない配置換えかも、と最初は思ったのですが、中に入ってから、飲物の自動販売機や書籍類を陳列してあるシアター2の入口付近にあるロビーから、正面入口から見て左手にあるシアター1に戻るとき、出入口から受付に連なる列が邪魔になることに気づく。この辺、混雑したときはスタッフが客に指示するなどの対応が必要でしょう。身動きしづらいのは仕方ないのです、もともとそんなに広い劇場ではないのですから。

 特色として掲げていた書籍の陳列棚はとりあえずざっと眺めただけ。確かに面白そうな本がけっこう並んでいるのですが、映画を観に来て、置いてある本を読み耽るのもどうかなー、と思ってしまうわけで。私なんかは常に読みさしの本を抱えてくるのですし。それに、名作映画の実物つきで刊行されているKADOKAWA 世界名作シネマ全集なんて置いてあってもどうしたらいいんだか。これで気になったら買わずにいられなくなるだろうし――ってそれが狙いか。

 場内のほうも、実は入口左手のスクリーンにはいちどしか入ったことがないので断言は出来ませんが、どうやらシートも座席配置も新調した模様。座り心地が記憶より良くなっていますし、一列ごとに座席の配置が互い違いになっているので、前席の客の頭が邪魔になる危険を軽減している。尤も今回わたしは、スクリーンの大きさと距離が程良さそうだと判断して敢えて最前列を選んだので、前の人が邪魔にならないかどうか、実際には確認してませんけど。

 とまあ、受付前の行列以外にはとりあえず文句のない様子。これなら今後も安心して利用できます。

 でもってようやく本題、きょう鑑賞した作品は、『マッハ!!!!!!!!』のアクション監督パンナー・リットグライが久々にメガフォンを取り、本物のトップ・アスリートを多数招いて製作した、やっぱりCG・スタントに依存しない超本格派のアクション映画七人のマッハ!!!!!!!』(GAGA communications・配給)。楽しみにしつつも、あまりに色物っぽさを強調した宣伝にやや不安も覚えていたのですが、どうしてどうして、『マッハ!!!!!!!!』に勝るとも劣らない傑作でした。ただ見せるためだけと感じるアクションが少なく、モチベーションも明確でカタルシスが大きいぶん、『マッハ!!!!!!!!』よりも面白いぐらいです。アレに痺れた方はとりあえず観ろ。詳しい感想は、「エクスクラメーション・マークは7つの方向で。」からどうぞ。『マッハ!』については関係者が「いくつでもつけてください!」とか答えたらしく若干混乱してましたが、今回は7つで統一してもいいでしょう。実際、ちゃんとロゴもそうなってるし。

 初めて、或いは久し振りに訪れる劇場では、予告編もまた楽しみのひとつ。何より嬉しかったのは、心底日本公開を待ち焦がれていた『ホテル・ルワンダ』の予告編を初めて観られたこと。畜生、これだけで涙腺緩むぞ。早く観たいぞー。『七人のマッハ!!!!!!!』とともにシアターN渋谷こけら落とし作品となった『ブレイキング・ニュース』の予告編も流れてました。チラシで発見して気にしていながら予告編と巡り逢うのは初めてでしたが、こっちも無茶苦茶面白そう。ヴァイオレンスと知性の競演が好きな私としてはこれも要チェックだなー。そして最後に流れた予告編は、アレの特報……「象さん、象さん、お鼻が長いのね、そうよ、ジャーさんは強いのよ」という歌が耳に残って離れません。『マッハ!!!!!!!!』でタイの底力を知らしめたトニー・ジャー最新作『トム・ヤム・クン』は来年GW公開だそうです。ああ観るからとっとと持ってきて。

 ――とまあ、満足したところで劇場をあとにする。本当は渋谷にある蕎麦屋で昼食を摂るつもりでしたが、駅を越えた反対側まで行くのが急に億劫になったのでとりあえず電車に乗ってしまう。しかしそういう理由で帰途を急いだのに、ケンタッキーが食べたくなってひと駅手前で降りて、あとは歩きで帰るというのもどうだろう俺。

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