『逆境無頼カイジ』Bet.13 怪物

 地上74メートルにかけられた25メートルの細い鉄骨、これを渡りきらなければ報酬は得られない。チケットを手にした10人は開司のか細い理に基づく励ましを胸に、いよいよ鉄骨に足をかける。だが、闘志に燃え陶酔していた開司たちは、その瞬間まで意識していなかったのだ――このゲームが飼い慣らす、凶暴な怪物の姿に。

 ギャンブル、というより他に相対するもののない状況における死との対峙、その心象描写にすべてを費やしているかのようなエピソードです。この驚異的な生々しさを何と言うべきでしょう。

 ただ、あの環境だと、決して幻覚ではなくかなり激しい風が吹き荒れていると見るべきで、その危機を無視しているのが気になります――まあもっとも、そこを無視しているからこそ、純化された“死の恐怖”を描きうる、とも言えるわけですが。

 さて、次回は間違いなく年明け以降なわけですが……本当にどの辺までやるのやら。この鉄骨渡りのあとぐらいから、実は書店でアルバイトしている頃に、休み時間を利用してぱらぱらと眺めていたために、多少その推移は知っているのだったりして。きっとあの痛いあたりまでやるんだろうなあ。わくわく。

コメント

タイトルとURLをコピーしました