『スシ王子!』指南の四 気仙沼編 掴め!幻の醤油

 づけの閻魔の弟子に完敗を喫したことで、司はやっと初心に戻る決意を固める。弟子の弟子で構わない、と閻魔に懇願するが、彼は頷かなかった。しかし司の決意は固く、無視されてもひたすらに食い下がり、勝手に下準備を手伝ったりする。そんな彼の姿にやがて閻魔もほだされ、自分と司の父、そして何故か司をつけ狙う江戸前寿司・一柳の者達との因果を語るのだった……

 ……先週はうっかり見落としてましたが、市川由衣が演じてる娘の名前、“ヒカリ”って……それは『H2』か?! あれから数年、いつの間にそんな酷い女になったてめえ?!

 それはさておき、回を重ねるごとにコメディとしての濃さも極まっております。第2回のネタを幾つも反復してみたり、その一方で対決場面の逆転にも趣向を施して擽りを入れたり。本当にこのツボを丹念に押さえた徹底ぶりがたまりません。

 基本的には荒唐無稽ながら、ちゃんと行動がドラマ性やカタルシスに寄与している点も巧い。あの支離滅裂そうな指南書の内容、づけの閻魔*1の特訓が、ちゃんとクライマックスで意味を備えるあたりの快感はちょっとしたものです。

 強いて気になるところをあげるとすれば、ウオノメ症候群の見せ場が回を追うごとに取って付けたようになってしまい、折角の決め台詞もいささか所在を欠いていることですが、まあこれだけツボを押さえられるスタッフですから、最後できっちり締めるための布石だと信じておきましょう。

 それにしても、司のこの期待を裏切らないフラれっぷりは素敵すぎるぞ。

*1:この名前にも仕掛けがあったのですが、説明は省きます。これも実に巧かった。

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