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今月5日にリリースされたばかりの『境界カメラ2』が早々と借りられたので、さっそく鑑賞。“心霊獄門帳”と題した心霊ドキュメンタリー撮影中に姿を消したナリモトD。残された映像から、どうやら彼が自分の失踪まで含めたでっち上げを画策していたことが判明するが、だとすればいま彼はどこにいるのか、そしてどうやって消えたのか? スタッフは、失踪直前まで同行していたカメラマンとともに、最後に目撃された廃墟へと赴く。
前巻ではまだフリで止まっているだけ、という感じだったナリモトD失踪事件調査の続篇です。前作からして怪奇ドキュメンタリーというより“怪奇ドキュメンタリーを作っているひと”のドキュメンタリー、という趣でしたが、それが更に加速している。中盤まではナリモトD失踪の経緯について、現場検証も含めてかなり丁寧に実施していて少しずつ真相に迫っている――ように見せかけて、その辺から急に生々しい話になっていく。
こういう、レンタルや配信主体の映像事業の実情を窺わせて興味深いのも事実なんですが、もはや怪奇現象はあんまり関係なくなってしまっていて、そういうものを期待しているとだんだんげんなりしてきます。ただ、プロセスをきちんと追って、実質一時的に頓挫してしまったこともぶちまけている、というのは新鮮ですし、語り口は巧みに視聴者の関心を煽っていて面白い。思わぬところで『ほん呪』出身の岩澤宏樹や福田陽平が顔を見せているのも、こーいう怪奇ドキュメンタリーを好き好んで観ている者には嬉しいところ。
しかしこの第2巻でも調査は完結まで辿り着かず。最後に寺内康太郎演出がぶち上げたのを信じるなら、旧年中に調査は一段落しているわけで、次で完結しなきゃいけないんですが……どうなっていることやら。この経緯だと、より生々しい話が出て来そうで、楽しみなような怖いような。いちおう怪奇ドキュメンタリーという枠内でやってるようですから、もーちょっとインパクトのある映像も拾ってくれてると嬉しいんですが。
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