日比谷で3本立て(今年2回目)。

 フリーパスも残すところあと3日。劇場の混み具合や諸々の事情もあって、金・土に無理をして出かけてもたぶん1本観るのが限界ですから、みっちり鑑賞するのは今日しかない。というわけで、13日ぶりにTOHOシネマズ日比谷へ。またぞろ腹具合が悪く、危うく出かけるのが遅れるところでしたが、なんとか間に合った。

 必ず観る、と決めていたのは1本だけ、あとはギリギリまで迷っていたのですが、実のところ食事を摂るための時間を用意できる構成はひと組しか見つけられなかった。食事をコンセッションの品物で済ませる代わりに空き時間のないみっちりスケジュールも容易はしていたのですが、ここのは食事としてはボリューム不足なので、あんまり長くはないのですが空き時間の作れるスケジュールを選択しました。

 そうして選んだ本日1本目は、『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』のマイケル・アブテッド監督が、『ミレニアム』シリーズのノオミ・ラパス主演、マイケル・ダグラスジョン・マルコヴィッチら豪華キャストを招いて描く、波乱に満ちたスパイ・スリラーアンロック/陰謀のコード』(kino films配給)

 なんとなく謎解きっぽいタイトルとかなり豪華な出演陣が気になっただけで、内容について詳しく調べずに鑑賞したんですが、これは久々に厚みのあるスリラーでした。尋問のスペシャリスト、というあんまり着目されたことのない役職の人間をメインに据えることで、終始予想の難しい展開を繰り広げる。ところどころ、それはさすがに都合が良すぎだろ、と思うような展開もあるんですが、ストーリーが面白く、俳優陣の質の高さもあって牽引力が強い。尺は短めですが、そのぶん濃密に楽しめる作品。

 本篇終了後、次の作品までの空き時間は50分。何せ平日の昼食時なので、どこに行っても混雑が予想され、2本目を頭から鑑賞するのは半ば諦めたうえで食事に出かけたのですが――立ち寄った東急プラザ銀座地下のふぐだし潮八代目けいすけは、思いのほか空いていた。オーダーが出るまでの時間も非常に短くて、きちんと平らげても余裕で次の作品に間に合った。

 こちら、最近通っている“けいすけ”の系列店ですが、ここは私が今まで寄った店と毛色が異なっている。用いているのはふぐのだしで、麺はそばに似た細麺。私が注文したのはふぐだしの醤油らーめんだったのですが、だしの上品さと麺の細さも相俟って、なんだかそばを食べている気分でした。味はさすがに文句はないのですが、如何せん、ふぐを使っているのでお高めで、しかも一般的なラーメン店の同価格帯のものと比べるとだいぶ少なめ。サイドでふぐ茶漬けなども注文しないと、健啖な人には物足りないかも。

 劇場に戻り、2本目に鑑賞したのは、いぬやしき』(東宝配給)――ぶっちゃけ、冒頭を見落としても、途中で寝落ちしても困らないよう、試写会で観たこれを選んだのです。まあ、もともと余裕があれば、一般の劇場でもう1回観てみたい、とは思っていたので。まだ腹具合が思わしくなく、中座はしたものの、けっきょく眠ることはなく最後まで鑑賞しました。やっぱり面白いし、劇場のコンディションがいいほうがより堪能できる内容であることも改めて確信しました。

 本篇が終了したあと、テロップを最後まで見届けることなく、次のスクリーンに移って鑑賞した本日最後の1本は、スティーヴン・スピルバーグが大ヒットヤングアダルト小説を映画化、VRが大規模に普及した近未来、仮想空間の創造者の遺産を求めてゲームプレイヤーたちが壮大な冒険を繰り広げるレディ・プレイヤー1(字幕・3D・IMAX)』(Warner Bros.配給)

 作中の仮想空間の開発者が80年代ポップ・カルチャーの信奉者、という体で、あまりにも見覚えのあるモチーフが大量に盛り込まれており、ぶっちゃけこの辺に馴染んでいる人にとっては、内容そっちのけで楽しい作品です。しかし、ジュヴナイル的な冒険物語としても非常に優秀。希望があり謎解きがあり陰謀があり、友情もあれば、しっかボーイ・ミーツ・ガールも盛り込んでいる。特に終盤のこれでもかとばかり繰り出されるシチュエーションの数々、あざといとも言えますが、やっぱり熱くならずにはいられない。特に日本人の琴線に触れる要素が盛り沢山で、これは観ておいて損はありません。80年代の映画、アニメ、音楽に親しんでいた人は必見、と言い切ります。

 ……というわけで、気づけばエンタテインメント性の強い作品ばかりの3本立てでありました。お陰で、途中に眠気が襲ってくることはありませんでしたが、今になってツケが廻ってきております……やっぱりもう少しくらいスケジュールに余裕が欲しかった……。

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