プログラム切替直後の月曜日につき、午前十時の映画祭8を観るため今週も今週とてTOHOシネマズ日本橋へ。出かけるときには止んでいましたが、油断すると降ってきそうな雰囲気だったので、大事を取って電車移動を選びました。
今コマの作品は、1950年作品、ブロードウェイに渦巻くどす黒い野心を緊迫感のあるタッチで描き出した『イヴの総て』(セントラル初公開時配給)。
タイトルだけやたらと印象に残っていたもののずーっと具体的な内容を知らず、だったらもうそのまんま観てしまえ、と映画祭のプログラムをさらっと眺めただけで臨んだのですが、これ、凄まじく好みの作品でした。一見平穏に運ぶドラマのそここにちらつく不穏な気配、途中までは真意が定かでなく、それが明瞭となった直後の慄然とする展開。しかしそのあとに、ショービジネスの業の深さを思わせる終幕が添えられることで、重厚な余韻を残す。本篇で監督のジョセフ・L・マンキウィッツは後にも先にも唯一のアカデミー賞2部門2年連続受賞を果たしたそうですが、確かにこれが来たら2度目でも与えざるを得まい。
鑑賞後は久しぶりに近くの立ち食い蕎麦屋にて昼食を摂ってから帰宅……けっきょく一滴も降られず、折り畳まない傘をぶら下げていったのが無駄になりましたが、まあしょうがない。
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