追悼水木しげる ゲゲゲの人生展に行ってきた。

 週末はできるだけ封切り映画をフォローしてくるようにしてますが、本日はちょっと方針を変更しました。2015年末に亡くなった水木しげるの足跡を辿る“追悼水木しげる ゲゲゲの人生展”のチケットを入手していたのですが、20日で終了となるのです。もろ休祝日の日曜と月曜に訪ねるよりは、土曜日の方がまだましだろう、と考え、今日行ってくることに。

 ついでのつもりの用足しで思わぬ時間を費やしてしまいましたが、10時半くらいに会場である松屋銀座に到着。幼少の頃、浅草の松屋にはけっこう立ち寄ることが多かったんですが、銀座のほうはほとんど縁がなかった気がします……まあ今回も、展示のほかには目を向けもしなかったんですが。

 土曜日も休日には変わりなく、しかも現在は並行して“『君の名は。』展”が始まっているので、けっこうな人出。展示の傍にも人が大勢いて、じっくり鑑賞するのは難しかったんですが、それでも1時間ほどを費やして、じっくり回ってきました。

 戦時中に味わった天国と地獄、復員後、画業に携わるもまったく儲からず延々と貧乏神に悩まされたこと、漫画賞受賞を契機に状況が一変、代表作『ゲゲゲの鬼太郎』などで大人気を博し一気に多忙になって、といった水木しげるの生涯の流れが、その時代時代に手懸けた作品、のちに回想して描いた作品などで辿れるようになっている。自身が“妖怪”と呼ばれるまでに取り憑かれるようになったのか、その人生観の源も伝わりやすい。出口付近には、展示されていた絵画やイラストを網羅した図録が販売されていて、2300円という値段だけ聞くとややお高めですが、ここで掲げたデータがぜんぶ入っている、と考えるとむしろとても安い。

 出口近くには追悼として、水木しげるに縁のある著名人たちが書いた絵馬が展示されていて、これもなかなかの見所です。京極夏彦荒俣宏小松和彦といったお馴染みの名前はもちろん、歴代の鬼太郎声優、映像化された水木関連作に出演した俳優などが連なってます。個人的には、木原浩勝氏渾身の鬼太郎&目玉のおやじを確認出来て幸いでした。

 とても見応えのある展示でしたが、いちばん私の印象に残ったのは、水木しげるが旅先で買い求め蒐集してきた妖しい仮面や置物を展示した一画だったりします。画業とは直接関わりがありませんが、水木しげるという人物の業を垣間見るような心地。

 イベントを堪能したあとは、昼食を摂るため、何故か六本木へ……このところあちら方面を訪れる用事がすっかりなくなってしまって、うどん店に立ち寄る回数もだいぶ減ってましたから、映画鑑賞抜きでちょっとだけ時間に余裕のあるこういう日に行っておかないと、またご無沙汰になりそうだったので。

 食後、もう1箇所用足しに訪れて帰宅したのは午後3時。なんだか、思っていた以上に時間がかかってしまった。

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