傑作カンフー映画 ブルーレイ 9号 (片腕ドラゴン 1972年) [分冊百科] (ブルーレイ付) (傑作カンフー映画 ブルーレイコレクション)
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今回も発売予定日の4日前に到着しました、傑作カンフー映画ブルーレイコレクション第9号は、ブルース・リー登場以前の香港で“天皇巨星”とまで謳われた大スターであり、近年も活躍する香港アクション映画界の伝説的存在ジミー・ウォングが自ら監督と脚本を兼ねて主演したカルト作『片腕ドラゴン』です。自らの師匠を殺され道場を潰され、利き腕までも奪われた男が、残された腕を鍛え上げて宿敵に挑む復讐劇。
ジャッキー・チェンを通して香港映画を知った者にとっては、ジャッキーがロー・ウェイ監督のもとを離れる際のトラブル解決のために黒社会にアプローチして便宜を図った恩人であるとともに、そういう“黒い噂”のある人物、というイメージの色濃いジミー・ウォングですが、今号ではそんな彼がいったいどういう過程を経てスターとなったのか、を語ると共に、黒社会との関係が誇張の結果であったことにも触れている。それこそ前述のイメージしか知らない者は、作品と併せて小冊子を一読しておいていいと思います。捉え方次第ではありますが、少なくともスターになるだけの理由は充分にあったことが解ります。
夕方、待機の時間があったので、そのついでにひととおり本篇も鑑賞してしまったのですが、なるほどこれは楽しい。荒唐無稽でツッコミどころ満載ですし、アクション映画としてもブルース・リーやジャッキー、サモ・ハンらと比較するとだいぶぬるい。しかし全篇に横溢するアイディアとサービス精神は、理屈を超えた面白さを生み出してます。ジミー・ウォングもそんな美男子というわけではないし、アクション俳優として決してパワフルでも器用でもないんですが、貫禄があり表情に説得力がある。そりゃあ影響を受ける人も多いわけだ。
次号はふたたびブルース・リー、その死後に追加撮影を行って完成させた曰く付きの作品『ブルース・リー 死亡遊戯』です。色々と工夫をして完成させたもののようですが、そのあたりはきっと谷垣健治氏とかが詳しく解説してくれることでしょう。
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