見事な手際を誇る女性暗殺者エバ。彼女にボスを殺されたマフィアは、復讐のためにゴルゴを雇う。しかしこの2人、3年前にある因縁を持っていた。ふたりはとある船の上で出逢ったが、出航間もなく、どこかに爆弾が仕掛けられている、という話が広まって、船内は大騒ぎとなる。他の客が逃走するなか、船員と共に残って爆発物の解体に当たったゴルゴに、エバは自分と同じ匂いを感じるのだった……
ゴルゴの人間離れした能力ではなく、優れた暗殺者という属性そのものに焦点を置いたエピソード。正直ぬるめですが、しかし子供向けのアニメにはない渋い雰囲気が横溢していて、それだけで独自の見応えがあります。エバを演じているのが田中敦子というだけでもう。
ゴルゴ13というのは、挑戦するにせよ彼を追うにせよ、最終的にその超人的な技術の前に屈服させられるまでの過程を描いたエピソードが基本になる訳ですが、これはその一風変わった見せ方を示した話と言えましょう。そしてとても沈痛なラヴ・ストーリーとも言える。こういう話はけっこう好きです。
ただ惜しむらくは、絵が安定感を欠いていて、映像一つ一つの魅力が乏しいこと。こういう話こそ、個人的には力を入れて欲しかったな−、と思うのです。ラストの絵も、もう少し繊細に処理して欲しかった。
コメント
確かに ラストの余韻は原作の方が数十倍良かった 自分が狙撃したエバをスコープ越しにずっとずっと見送ってるんですよね アニメにはなんかあっさり
30分の尺に収めようとしたせいか、どうも全般に間の取り方が良くない傾向がありますから、今回の場合はそのしわ寄せがあのラストに来たのかも知れませんね。