『パズル』Piece8.

 推理作家・墨田透が、人気シリーズの記念すべき50作目の出版権を賞品としたゲームつきのパーティを催した。彼の秘書・庵藤椿が何者かに襲われているところを救出した三人組は彼女によってパーティに誘われ、例によって金の気配を嗅ぎ取った鮎川もついてくる。

 ……うーん、またレベルが低下した。パーティの状況が極端な御都合主義なら、事件の成り行きも御都合主義。そのうえ、鮎川と三人組のやり取りにさえ前回は多少感じられたユーモアがふたたび消し飛んでしまった。ただただ苛々させられるばかりです。

 謎解きとしても色々と酷い。暗号には無駄な単語が混ざりすぎて厳密さに欠くし、肝心の殺人計画はもっと低レベルです。だからさ、なんで密室にする必要があるの? なんで全員閉じ込める必要があるの? 途中、珍しく三人組が密室の謎を解くくだりがありますが、その時点で不自然だろ−、と思っていたら解決篇も更に不自然でした。犯行に至る成り行きも、創作の実態を知らないあさはかな代物ですし、出版業界の現実を甘く見すぎていて説得力がないし、何よりあれで犯行を決意したのなら、別にパーティなんか利用しなくても良かっただろ?

 ……いつか多少は質が上がるだろうと期待して観ているのに、上がるどころか更にじわじわと下降線を辿っている印象。残り2・3回ぐらいでしょうが、もうなんか良くなる見込みはなさそうだ……ここまで付き合った以上は最後まで見届けますけどな。

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