今回の事件は、いかがわしい輸入雑貨の企画・販売を手懸けていた椎名という男が殺された、というのも。そして例によって宇田川が心を持って行かれたのは、椎名の恋人で女流棋士の富里すみれ。別れ話をするつもりで自宅を付き人と共に訪れた際、屍体を発見したのだという。合鍵を持ち、別れ話を持ちかける直前であった恋人――どう考えてもいちばん怪しいのはすみれなのだが、彼女には死亡推定時刻に鉄壁のアリバイがある。毎度ながら引っ張り出されたさくらは、そこにトリックがあるとみて調べを進めるが……
わーい、今度は津田寛治だー。好きな俳優が脇とは言え濃い演技を披露してくれるのもこのシリーズのいいところです。なんか製作者の好みが私にとても近い気がする。
ギャグはだんだん行きすぎの領域に入りつつありますが、しかし楽しませようとする意欲は充分ですし、何より事件捜査にちゃんと筋が通っているのがいい。所々荒唐無稽だったり無茶があっても、全体を考えて構成してあるので、最後に不自然な印象を残すこともない。
そして、前回もそうでしたが、クライマックスでの犯人の述懐の重みと説得力が素晴らしい。それまでの冷静さをかなぐり捨てて語る動機の激しさと、それに決着をつける話運びは絶妙でした。
と、かなり入れ込んだ状態になってますが、これもとうとう来週で完結。結局ここまで直接的には描かれなかった、さくらの過去がようやく登場するようですが、はてさて――まあ、仮に最後だけ失敗したとしても、よほど無茶苦茶でない限り評価を下げることはないと思いますが。ここまでが本当に上出来でしたから。
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