バレンタイン間近。話の成り行きで、何故か内田・吉野らを招いて一緒にチョコレート作りをすることになった。だが提案した夏奈は、ひたすら作業を妨害するばかり。阿鼻叫喚の中、どうにかこうにか形を成していくのだが……
……普通に詰まらない。何だこの間の悪さ。何だこの不自然な脚本。既に加工を始めている段階で何で改めて説明を聞くんだ内田。春香にチョコをあげる、と言い出したマコちゃん(♀)に対する千秋の反応がどう考えてもマコト(♂)に対するものです。人間関係がきちんと把握できていないし、相変わらずモブキャラの顔を黒くする意味がまるでない。演出を統一していることだけは評価しますが、しかし単に意固地になっているだけ、という気がする。だって今回なんか名前のないキャラクターにちゃんと顔があってこそ成立する話でしょうに。
ただ、それでも先週までの3回よりはよほど上出来。まだキャラクターを動かそうという意欲は認められますし、少なくともギャグがギャグになっている。中途半端にシリアスにされるよりはよほど面白かった。
――と、少しは褒めるところがあるかと思えば、これまで前シリーズに比べて唯一誇れるところだった作画のクオリティが劇的に下がっているのが痛い。序盤やアップ部分はまだいいとしても、少し遠景になると体格が壊れるデッサンが乱れる、とにかく見苦しい。そこへ来て相変わらずモブキャラが意味もなく黒いので、非常に苛立ちます。脚本・演出がメインの担当ではないために敢えて力を抜いたのかも知れませんが、先週までの出来からすればここでこそ意地を示さなければいけなかったところでしょうに。
それでも、やっぱり先週までに比べればずっと出来は良かった。今のところ『おかわり』になってからは一番まともな出来。某所では「悪評が届いて慌てて作り直した結果」説も出ていますが、まあそれなら多少は効果があったのでしょう。そんなに面白くはないが。
だが敢えて言おう。フユキは要らない。本当に要らない。今回の成り行きは、前回ほどではないにしても本当に酷かった。もう少し彼の立ち居振る舞いにリアリティがあり、無印から続く作品世界に馴染める形で登場していればあれも微笑ましいひと幕になったのでしょうが、このシリーズの描き方では却って反感を招きます。ていうか本気で吐き気がしました。あれに一瞬でも出番をくれてやるくらいなら冬馬を出してあげてください。キャラクターの設定が掻き乱されている中で、誰よりも割りを食っているのがあの子なのは間違いないんですから。
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