思い人・寝子を喪って悲嘆に暮れる鬼太郎。目玉の親父は、地獄に行って魂を戻せばいい、と言うが、そのために鬼太郎が幽霊族の生き残りと証明する霊毛ちゃんちゃんこが必要だったが、いつの間にかすり替えられていた。同じ頃、ねずみ男がテレビに出演し、助手の“鬼太郎”が地獄の砂を持ち帰るという話をしていたことから、彼らが暗躍していたことを悟る。ちゃんちゃんこを喪い、ただの子供となってしまった鬼太郎に代わって、目玉の親父が地獄へと赴くが……
本当に、『ゲゲゲの鬼太郎』と比べるとあらゆる意味でダークな話だ。ちゃんちゃんこがないというだけで妖怪としてのアイデンティティを喪失し、恋した寝子をふたたび喪うという悲劇に悲嘆に暮れる鬼太郎。明らかに『ゲゲゲ』よりも悪事に長けたねずみ男。人間に対して辛辣な目玉の親父。愉しくてしょーがありません。
ただ結局ニセ鬼太郎がどんな理由で鬼太郎にちょっかいをかけてきたのかがいまいち解らないまま退場してしまいそうなのが残念。もう少し掘り下げるかと思っていただけに。序盤、前回の背後で繰り広げられていた工作の様子を描いている辺りが面白かっただけに、もー少し踏み込んで欲しかったところです。原作で触れていないにしても、折角脚色するなら多少は工夫があってもいいと思うの。
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