自らを奸計で傷つけ、愛する剣道を貶めた小西に対して、本来封印していた“突き”で一矢報いた珠姫。だが、異常を察したコジローは棄権を申し出る。珍しく反抗する珠姫を、紀梨乃は優しく諭して退かせた。本数・勝ち星共に同じとなって、代表者同士による決勝には紀梨乃が出陣する。母の入院のために却って集中力を増していた紀梨乃がこの決戦に臨んだが……
……紀梨乃さん、あの適当な技の名前をいつ知ったんですか? てか君はあの短時間で対戦相手とも仲良くなったのか? だとしたらその人付き合いの巧さは間違いなく才能です。
原作を読んだせいでとても楽しみになっていた1話。なのですが、原作と細かく換えている演出がところどころ不満でした。珠姫のいっぱいいっぱいになっているところを見せるなら、原作同様にあまり体を動かさない形で描いた方が良かったでしょう。また、個人的にその細やかさがとても紀梨乃らしいと思った、珠姫にメールを出す場面が省かれてしまったのも残念――話運びの無駄を避けるために前後を入れ替えたのは正解だと思うのですが、それ故に排除されてしまったのが何だか悲しかったのです。あそこ好きだったのになー。
しかし逆に小西の描き方はこちらのほうが正解だと思います。原作のようにやたら素直にしてしまうよりは、微かに改悛の兆候を見せつつも、負けてなお屈託のない室江高の面々に対して複雑な感情を抱いている、というこの描き方のほうが、個人的には納得がいきます。人間そう簡単に変化を受け入れられるものではありませんて。
他方でもうひとつ楽しみにしていた、サヤの勘違いフェーズもあり。原作のような著しい痛々しさが欲しかったところですが、この訳の解らないうちに退場させられるやり方も悪くない。サヤのギターのチューニングがまったく合っていないところまで妙にリアルです。唯一、サントラに収録されているサヤの曲は作詞を河井英里が手懸けていて普通に出来が良くなっていたためどーするんだろう、と思っていたのですが、アニメの中ではサヤの寒い歌詞を無理矢理メロディに乗せてカラオケのBGVにする、という手法で片付けていてこれも納得。あの無理矢理感がまたナイス。
で、そのサヤが予告で語ったところからすると、次回から本格的にオリジナル展開に突入する模様。今のところアレンジを施しているところも決して原作を壊していないので、某作品のようなことにはならないとは思いますが……それでもちょっとどきどき。どう締めくくるのやら。
どうでもいいがCM明けのアイキャッチ……今それ、そんなに流行ってるのか? 私もあの芸人はけっこうお気に入りですが。
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