春香に言われてもなかなか部屋の片付けをしない南家の妹二人。堪忍袋の緒が切れた春香は、二人に清掃活動への参加を命令した。自分たちだけ泥を被るのが厭な妹たちは、同級生らを無理矢理駆り出す――夏奈に気のある気の毒な藤岡がデートと誤解したり、例によって気持ち悪い保坂が違う町内会だというのにも構わず無理矢理参加したり……
鑑賞後某スレを見たら、第3話まではまだしも擁護する人がいたのに(実際頷けるところもあったのに)完全にアンチ化していて逆に和みました。いやこれは誰が見ても拙いだろ。
演出の技がないのに妙な工夫をしようとするから、例によって話運びがガタガタ。ていうかなんでこんなに面白くないんだ? 唯一の取り柄だったはずの作画のクオリティでさえ、4話目を数えてか下降しており、ますます無惨なことになってます。ああああ。
まるっきり見所がない訳ではなく、夏奈の「飽きた」に対する素速いツッコミとかは絶妙でしたし、ぽつぽつと美点はあるのですが、藤岡の服装とか保坂の異才とかもっと活かしようのある要素をきちんと見せず無駄にしている、など無数の不手際がますます作品の印象を悪くしている。
しかし話の出来不出来だけならまだしも、新聞紙をあっさり燃えるゴミと断定したり(あそこまで状態が良ければ普通は資源ゴミ)、一目瞭然のゴミの分別に迷う大人が南家の隣に越してきた少年・フユキに確認するという不自然極まりないシチュエーションがあったり、ともう脚本の根本的なところに推敲の乏しさが散見している。何より、まるっきり普通の少年であるフユキのキャラクターのせいで、コメディとしての良さが全部潰されています。調べてみたらオリジナルキャラらしい……ああ、本当にこのスタッフ、駄目だ。いい話にしたかったり芯を通したいと思うなら、日常パートの精度をもっと上げなさい。さもなきゃフユキの普通さや気の毒さのせいでいつまでも焦点が暈けたままになるぞ。
観終わったあとで、何がこれほど不愉快なのか改めて考えてみると、フユキもさることながら春香の性格が明らかに違いすぎている点です。この娘は基本的に派手には怒らず、また勘違いなどで笑いを拾っていたはずなのに、完全に状況の読めない所帯臭さだけが目につくキャラにされてしまっている。他のキャラクターにしても、基本から崩れている者が多い。
別にアニメが原作通りである必要はない、と考える方ですが、別の制作会社からシリーズを引き継ぐ特異なスタイルである以上、キャラクターや基本的な世界観を崩すべきではない、と解っていない時点で駄目です。これで脚本・演出がサブ・スタッフによるものならまだしも、脚本はシリーズ構成担当で絵コンテが監督でこれなのですからほんとーに救いがない。
なまじ直前に、無印が初期からきちんと作画の劣化まで考慮に容れて様式を築きあげていたのを確認してしまっただけに、オリジナル要素でぶち壊しにしている作りが余計観ていて苛立つのでした。……うん、やっぱりDVDは無印だけでいい。少なくともこの『おかわり』第1巻・第2巻分に見所はなさそうた。
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